めい、社員寮をアーティストの住むホテルにリノベーション。滞在型複合施設「KAGANHOTEL(河岸ホテル・カガンホテル)」10月開業へ。
若者向けのシェアハウス事業を中心に展開する不動産企画会社の株式会社めいは、京都にある青果会社の社員寮をリノベーションし、若手芸術家の生活場所と作業スタジオを併設した滞在型複合施設「KAGANHOTEL(河岸ホテル・カガンホテル)」を2019年10月にオープンする予定だと発表した。
同ホテルは、JR京都駅から電車で1分の2019年3月に新設される「梅小路京都西駅」の開発エリア。同エリアの京都市中央卸売市場場外にある、野菜・果物卸売の京都青果合同株式会社の社員寮だった5階建ての空きビルをリノベーションした。1階と地下1階はギャラリーや24時間使えるスタジオに、2階は2段ベッドを連ねる40床のドミトリー、3・4階が若手芸術家が住む個室、そして最上階の5階に5つの客室(ツイン)を用意し、入居する若手芸術家たちの作品を鑑賞できる「体験型のアートホテル」として運営する。
価格はホテルはツインが1泊15,000円~、ドミトリーが1泊2,000円~。作家用レジデンスは長期は月45,000円~、短期は週24,000円~を想定。また入所者限定で無料でスタジオ利用が可能だ。
ホテル名の由来は、市場が昔、川辺にあったことから河岸(かし)と呼ぶことに着目。また、仏教など東洋の死生観の中には”河”は重要なモチーフでもあり、アートは目に見えるものと見えないもの両方を表現する手法だと考えた時、現世を表す此岸、あの世を示す彼岸をまとめた”河岸”という言葉に、この場所を象徴する魅力があると考え名付けたという。
現代アートの若手芸術家が共同生活を送りながら作品を生み出し、現代アートに関心のある世界中の人々が集まる場所をテーマとし、若手芸術家にとって重要なファンやコレクターとの出会いの場、制作した作品が購入され、芸術家の生活を支える仕組みを作り出していく。
既に2018年12月末より、KAGANHOTELに住み作品を制作する入居者の募集とリノベーション工事を開始。同時にこのプロジェクトでの改装費の一部はクラウドファンディングにて募っている。
訪日外国人の増加とともに、全国でも新築ホテル激戦区となっている京都。しかし同社のような滞在型複合施設や若手芸術家をサポートする目的をもつ施設はとても珍しく、京都への旅行者はもちろん、現代アートに興味を持つ方や滞在を目的として訪れる人も増えるだろう。今後も多くの宿泊施設がオープンしていく中、他にはないコンセプトを持つ同ホテルがどのように伸びていくか、今後も注目したい。
■「KAGANHOTEL」公式サイトはこちら
【参照記事】
【青果会社の社員寮がアーティストの住むホテルにリノベーション】 今秋、若手芸術家が住みながら創作活動できる滞在型複合施設が京都に!
【参照サイト】
【アーティストが住むホテル】若手作家と世界を繋ぐ滞在型複合施設KAGANHOTELを京都に!
(HOTELIER編集部)