京都駅八条口エリアで相次ぐホテル開業。大和リゾート、JR西日本グループなど
京都の玄関口である京都駅の南側・八条口エリア(南区)でホテル建設の動きが活発だ。2016年度の京都市に届け出のあったホテル開業計画11件のうち7件が南区内、うち5件が京都駅八条口から徒歩10分圏内に集中しているという。
これまで京都市では、宿泊施設の約6割(59.4%)が中京区と下京区、東山区に集中していた。需要の高まりで建設用地が限られつつある中、これまで比較的宿泊施設が少なかった南区で計画が活発になっているようだ。
進行中の計画は以下の通り。
・大和リゾート株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:柴山 良成氏)
新機軸のシティーホテル事業のフラッグシップと位置付けたホテル建設に着手。S造9階一部6階建て延べ1万2717平方メートル。客室数は、271室。設計施工は大和ハウス工業が担当。建設地は南区東九条西岩本町15。18年6月の開業を目指している。
・JR西日本グループ
東西2棟構成で、東棟(9階建て430室)はジェイアール西日本ホテル開発の「ハイクラス宿泊特化型ホテル」、西棟(10階建て470室)はジェイアール西日本デイリーサービスネットが展開する宿泊特化型のホテル「ヴィアイン」を開業させる計画。規模は2棟あわせて延べ約3万1500平方メートル、事業主は松原興産(京都市)。設計は東急設計コンサルタント。商業施設「アバンティ」東側約6,000平方メートルの敷地(南区東九条上殿田町42他)。18年1月頃から着工、19年春の開業を目指している。
・京都JA会館
八条口から徒歩約5分のところにある京都JA会館(南区東九条西山王町1)は、老朽化した現会館の建て替えに合わせホテル機能の導入を計画。S一部RC造地下2階地上7階建て延べ1万9726平方メートル。用途は事務所とホテルで、客室数は267室。施工者は未定、設計は内藤建築事務所。18年1月の着工、20年3月末までの完成を目指している。
・関西電力グループ
既存のエルイン京都(南区東九条東山王町)で、昨年秋から増築を含む大規模な改修工事を実施中(設計施工=戸田建設)。客室は50室増の562室、規模はRC一部S造11階一部6階建て延べ1万3761平方メートルとなる予定。17年11月の全面開業を目指している。
京都市は、16年度に打ち出した「宿泊施設拡充・誘致方針」で20年に京都市に宿泊する外国人観光客の数を年間440万人と想定している。全ての受け入れには現時点で開業が予定されている4,000室に加え、さらに6,000室分の新設が必要となる。市では都市計画による誘導方策や規制緩和も実施し、市内全域で宿泊施設を拡充していく意向という。
【参照記事】
京都・八条口でホテル計画活発/インバウンド需要に対応
(HOTELIER編集部)