AIを活用した問い合わせ対応サービス「トリップAIコンシェルジュ」、2019年7月より外国語応答機能の申込受付を開始
株式会社リクルートライフスタイルが、AIを活用したチャット形式の問い合わせ対応サービス『トリップAIコンシェルジュ』のオプション機能「外国語応答」の申し込み受付を、2019年7月1日より開始すると発表した。提供開始は12月を予定している。
同社は1990年に旅行情報誌『じゃらん』を創刊し、旅行サイト『じゃらんnet』や『じゃらん』を中心に、宿泊施設に対して集客支援サービスを提供してきた。しかし、急激に変化する宿泊業界は、労働人口の減少などにより従業員の業務負荷が増しており、生産性向上が課題とも言われている。そうした課題を解決するとともに、さらなる業界の発展に寄与することを目指し、同社は2018年3月より宿泊施設の業務負担を軽減する業務支援サービスの提供を開始した。
業務支援サービスのひとつである『トリップAIコンシェルジュ』は、宿泊施設の定型的な問い合わせ対応業務の負荷軽減を目指している。AIによる自動応答のため、ゲストは24時間いつでも気軽に問い合わせができ、即時に回答を得ることができる。宿泊施設は、同サービスの利用開始前に定型的な問い合わせに対する回答を入力することで、利用開始後はゲストからの問い合わせに対して自動で応答が行われるようになる。これにより、電話やメールなどの問い合わせ対応業務負荷を軽減できることに加え、ゲストの満足度を上げるための接客により専念できる。
活用している宿泊施設からは好評を得ているという。2017年12月から同サービスを導入した「ホテル日航成田」によると、設置を開始した2017年12月13日から2018年1月9日までの28日間の利用件数は407件だった。このうち問い合わせが多い項目は、アクセス93件、食事76件、宿泊50件だった。
また、今後も増加が予想されるインバウンド対応に向けて外国語対応してほしいという要望も多かったといい、このたび同サービスの多言語版である「外国語応答」機能の提供を決定した。
「『トリップAIコンシェルジュ』外国語応答」は、日本語版のオプション機能である。英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語に対応し、AIを利用して問い合わせに自動で応答する。ゲストは端末の言語設定に応じてスムーズにアクセスし質問できる。価格は月額5,000円(税抜)。
同社は同サービスについて「宿泊施設の業務を効率化し、旅行業界全体の付加価値を最大化させることで、旅行業界の発展を目指してまいります」と述べている。
観光庁が行った、訪日外国人が旅行中に困ったことについての調査によると、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」という回答が一番多い。2016年度から2018年度の3年間でその割合は減っているものの、依然として「旅行中に困ったこと」で一番多い回答だ。施設別では観光地と公共交通機関内に続いて、宿泊施設が3番目に多かった。
『トリップAIコンシェルジュ』に外国語応答機能が追加されることで、外国人客が感じるコミュニケーションの取りづらさを解消したり、ホテルに関する疑問にもすぐ回答できるようになるだろう。
同社が2018年3月より提供を開始した宿泊施設向けの業務支援サービスには、『トリップAIコンシェルジュ』のほか、『ホームページダイレクトサービスプラス』と『レベニューアシスタント』がある。
『ホームページダイレクトサービスプラス』は、だれでも簡単に作成・編集できる、予約機能を兼ね備えたホームページ作成サービスだ。スマートフォンなどのデバイスへの最適化や多言語対応など、主に8つの機能を備え利用者のニーズに沿ったホームページを低価格で作成できる。
『レベニューアシスタント』は、市場環境や自社の過去データなどから導き出される需要予測データを活用し、適正な価格設定を支援するサービスだ。これまで宿泊施設が価格設定する際に行っていた、過去実績の分析やエリアデータのリサーチなどの需要を予測する業務を、『じゃらんnet』のビッグデータを活用してより簡単に実現できるように支援する。
今後も同社が業務支援サービスを拡充し、宿泊施設の業務効率化やゲストの利便性・満足度向上に寄与していくことを期待したい。
【参照記事】
・宿泊施設向け、AIを利用した問い合わせ対応サービスの多言語版 「『トリップAIコンシェルジュ』外国語応答」の提供決定
・【ホテル日航成田】「トリップAIコンシェルジュ」提供開始 ホテルへの質問を人工知能がチャット形式で回答
・宿泊施設の生産性向上と旅行業界の付加価値最大化へ 旅行業界に特化した業務支援サービス3商品を提供
【参照サイト】
・「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果
(HOTELIER 編集部)