Tablet Hotels、日本市場拡大に意欲。ユーザー、掲載施設数1年後倍増へ

Tablet Hotels(タブレット ホテルズ)最高経営責任者(CEO)のローラン・ヴェルヌ氏が来日、日本市場での活動を本格化させる考えを示した。

同社は高級ホテルやブティックホテルなどの予約を取り扱う同名のサービスを2002年にローンチ。現在は約2,000軒の宿泊施設を取り扱い、ユーザー数は約100万人。(メインユーザー:富裕層の個人旅行者。平均年齢41歳、女性55%。平均宿泊単価3万5000円。平均年間海外渡航数3回以上。)
「今度訪れてみたい邸宅ホテル」など、特集にテーマ性や旅心を刺激するストーリーを盛り込むことでリピーターの獲得にも成功。8ヶ国語で展開しており、2006年に日本語サイトもオープンしているが、日本人ユーザーの割合は全体の5%に満たない。日本市場拡大に向けては知名度向上が課題と捉えており、今後はターゲットを絞ったマーケティングでユーザーの取り込みに力を入れていくという。ヴェルヌ氏は「すべての宿泊予約サイトがライバル」と語る。

一方で、現在の販売チャネルが自社開発システムの「Tablet Extranet(無料)」か海外のチャネルマネージャーなどに限られており、日本国内のサイトコントローラーと提携できていないことは今後の課題となる。ヴェルヌ氏は、サイトコントローラー各社が海外のオンライントラベルエージェントにも高額の開発費を請求することが足かせになっているとし、「海外ではまずないこと。日本では国内旅行の需要が大きいこともあるが、訪日旅行への投資にはまだまだ積極的でないように見える」と述べている。

取り扱う宿泊施設に「高級感だけでなく個性やセンスが感じられること」を求める方針の同社。日本の宿泊施設は、アマン東京やアンダース東京、コンラッド東京など約70軒を取り扱い、うち25軒は旅館。日本独特の個性が感じられることを高く評価しているが、他言語対応などにおける遅れはインバウンド客に対する自信をもったサービスに繋がらないのではと指摘している。

そのほか、パリ出身のヴェルヌ氏は欧米諸国を中心にテロ事件が続き、観光業に甚大な影響を与えていることへも言及。パリは同社の宿泊取り扱い件数においてニューヨークに次ぐ2位を長らく維持していたが、テロ発生後はロンドン、ロサンゼルスに抜かれて4位。「難しい状況だが、良くなることを祈るしかない」とコメントした。

【参照】
厳選した施設のみを掲載するオンライン宿泊予約サイト「タブレットホテルズ」、CEOに日本戦略を聞いてきた
Tablet Hotels、日本人ユーザー倍増へ、「まずは知名度向上」

(HOTELS.Biz 編集部)


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