ANA、三井住友など13社が「地域創生インバウンド協議会」を新設。自治体のインバウンド支援で連携
2018年10月30日にANAホールディングス(HD)や三井住友ファイナンス&リース(SMFL)をはじめとするホテル業や旅行業など13社が、自治体の訪日客の誘客支援に乗り出し協議会を立ち上げた。協議会では、地方で訪日客を誘致したい自治体の要望に対し、需要発掘や資金調達や事業化、プロモーション、販売に至るまで窓口を一本化し、幅広く支援する体制を整えていく。
協議会に参加するのは、発起人であるANAHDやSMFLのほか、旅行サイト運営のエクスペディアホールディングスや藤田観光、鹿島など13社。
例えば自治体が「自分たちの町で観光資源を見つけ、訪日客を呼び込みたい」と考えた際、ANAHD傘下のANA総合研究所が窓口になり、自治体と誘客に向けた契約を結ぶ。その後、SMFLが資金調達を支援したり、旅行業者がプランを提案したりするなど、自社の事業領域に合わせて連携していく。
現在、訪日客を呼び込むための資金を出すファンドや、地域内で業界を超えた連携は既にあるが、全国規模で展開する大企業が連携して事業を提案するのは珍しい。
これまで自治体から企業への相談の多くは「地元の寺の宣伝」といった比較的シンプルなもの。しかし近年は「地元の観光資源を発掘して、海外にアピールしたい」というように、相談内容も多様化し複雑な案件が増加している。今回の協議会の新設により、これまで企業単独では対応が難しかった要望も、異業種が連携することで応えていけるのだという。自治体側も窓口が一本化されることで、今まで注目されてこなかったモノやコトが発掘され、誘客につなげられるメリットがある。
ANAHDは今年、日本各地の観光地情報などを提供する、訪日客向けの新しいウェブサイトを開設。またJTBは東京都と連携し観光客誘致に取り組むなど、各社でインバウンドに向けた様々な取り組みが行われている。日本の都市部だけでなく、地方へ足を運ぶ訪日客が堅調に伸びている今だからこそ、今後も企業と自治体が手を取り合い、新たな日本の魅力を引き出して欲しい。
【参照サイト】
インバウンド支援 連携 ANAなど13社が協議会
(HOTELIER 編集部)