観光庁が「宿泊施設バリアフリー化促進事業」の公募開始、客室や共有部の改修等を補助。
観光庁は、ホテルや民泊などの宿泊施設において、客室や共用部のバリアフリー化の改修等の支援を行う「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金(宿泊施設バリアフリー化促進事業)」の公募を開始した。公募期間は2018年3月28日~2018年5月9日12時まで、6月中をめどに認定・公表を予定している。
近年、地震や火山噴火などの自然災害が頻発しているほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催などで訪日外国人旅行者が増加することを見据え、高齢者や障がい者を含む訪日外国人旅行者が、安心・安全を確保できる避難所等として利用できる宿泊施設が必要である。一方で、宿泊施設のバリアフリー化は十分進んでいるとは言えず、加速化が求められる。こういった理由から、緊急対策としてバリアフリー化のための改修を支援するという。
対象となる宿泊施設は、旅館業法営業許可を受けている施設で、簡易宿所型民泊は対象である。特区民泊・イベント民泊・住宅宿泊事業の民泊・これから新設する宿泊施設は対象外だ。加えて、この補助事業期間内に、同一の事業計画で独立行政法人を含む国の他の補助金や助成金の交付を受けている、または受けることが決まっている場合も対象外だ。
補助を受けるためには、宿泊事業者が「宿泊施設バリアフリー化促進事業計画」を策定し、国土交通大臣に認定を申請する必要がある。認定されると、以下2つの支援を受けられる。
1.客室における躯体工事等を伴わない必要最低限の緊急改修(定額、補助上限100万円)
2.共用部の改修、客室の統合等を伴う大規模改修(1/2補助、補助上限500万円)
事業計画には、宿泊施設のバリアフリー化の現在の整備状況と整備目標、訪日外国人宿泊者数の現状などを記載する。補助の対象事業には、手すりやスロープ、出入り口・廊下の拡幅、エレベーター・段差解消用昇降機の設置など計15点ある。
審査結果は、観光庁のホームページにおいて認定の公表を行い、認定された事業者へ認定通知を文書にて送られる。また、公布決定日以降でなければ、注文や契約等を含む事業を実施できない。補助対象事業の実施期間は2018年12月31日までで、経費の支払い等を含むすべての事業を完了する必要があり、大規模改修を行う場合は注意が必要だ。
【参照記事】
ホテル、民泊など宿泊施設向け、最大600万円のバリアフリー化促進事業補助金の公募開始
【参照サイト】
観光庁|「宿泊施設バリアフリー化促進事業」の公募を開始〔平成29年度補正予算事業〕
【コーポレートサイト】
観光庁
【関連記事】
・観光庁が民泊制度のポータルサイトとコールセンターを新設、健全な民泊サービス普及図る。
・旅館業界「泊食分離」導入。長期滞在客対応、モデル地区指定へ
・国交省、五輪見据え宿泊施設のバリアフリー新指針。段差なし、字幕対応テレビ導入など
・「観光産業革新検討会」初会合。宿泊業の課題に対する施策検討へ。観光庁
(HOTELIER 編集部)