カフェ・カンパニー、2017年4月にインバウンド特化型ホテルをオープン

2020年に向け異業種からの参入も増え、建設ラッシュが始まったホテル業界。2017年4月オープン予定の「ワイアード・ホテル・アサクサ(WIRED HOTEL ASAKUSA)」が注目を集めている。「WIRED CAFE」などの、人気カフェを展開するカフェ・カンパニーがホテルに参入したものだ。同社が目指すのは、「コミュニティー型ホテル」。「LOCAL COMMUNITY HOTEL」をコンセプトとして掲げ、従来のホテルとは異なる魅力を打ち出すという。

「アンバサダー」がホテル利用者にお気に入りスポットを紹介

同ホテルが強く打ち出そうとしている特色のひとつは、日本在住の外国人、地元浅草の職人やクリエイターたちが「アンバサダー」となり、地元から関東近郊まで自身のお気に入りの場所を紹介してくれる仕組みだ。同ホテルのHPではすでに各アンバサダーの推薦場所、推薦の理由が閲覧できるようになっており、現地に住む友人にお気に入りの場所を聞く感覚で情報収集ができる。アンバサダーはホテルに常駐しないが、彼らがホテルに滞在している場合などは宿泊者に紹介することも考えているという。アンバサダーは今後も随時募集していく予定。

演劇を通じて混ざり合うコミュニティー

ホテルが入るのは、大手芸能プロダクションのレプロエンタテインメント(東京都品川区)が運営する10階建ての劇場付き複合施設「浅草九倶楽部」内。1階は、夜は豆腐と日本酒を楽しめ、朝は発酵食品を使った朝食が提供されるカフェ&バー。2階は100人規模の劇場「浅草九劇(アサクサキュウゲキ)」、3階から10階までが多彩なタイプの客室フロアとなる。観劇後に食事と宿泊ができる場所で、「エンターテインメントに関わる人と旅行者が交ざり合う新しいコミュニティーができると思った。」とカフェ・カンパニー楠本修二郎社長は語る。

快適な滞在へのこだわり

同ホテルはスウェーデンの高級ベッドメーカー「DUXIANA(デュ クシアーナ)」のベッドを全部屋に採用予定。(2段ベッドがある「CARGO CLASS」ではマットレスを採用予定)。世界で唯一七つ星を称しているドバイのホテルでも採用されている同メーカーのベッドは、「フワフワ」の浮遊感を味わえるという。寝心地を体験するために宿泊する、という人も現れるかもしれない。

日本の日常生活や地元体験のニーズが高まる

観光庁の「訪日外国人の消費動向 平成27年年次報告書」によると日本滞在中の体験で最も満足度の高かったのは、「日本の日常生活体験」だった。訪日外国人が2,000万人を超え、リピート率も高まる中、訪日外国人のニーズは爆買いなどの「モノ」の消費から地元コミュニティーとの関わりや日常生活体験にシフトしている。今後も訪日外国人のニーズをとらえた様々なコンセプトの宿泊施設が増えていくだろう。

【参照】
カフェ・カンパニー初のホテルはコミュニティーが集客

【関連リンク】
WIRED HOTEL ASAKUSA
観光庁 訪日外国人の消費動向 平成27年年次報告書

(HOTELS.Biz 編集部)


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