全室オーシャンビューの離島リゾート「壱岐リトリート 海里村上」2020年4月にリブランドオープン
株式会社温故知新が運営する長崎県壱岐市の旅館「海里村上」が、全2期の改装を経て、唯一無二の離島リゾート「壱岐リトリート 海里村上」として2020年3月15日にプレオープン、4月13日にリブランドオープンすることがわかった。
同社は「地域の多様性の承継発展、そして豊かな未来の実現」をビジョンに掲げ、ホテルや旅館の運営・プロデュース・コンサルティング企業として2011年2月に創業した。「宿を磨き続ける集団」をミッションに、宿を地域の魅力を発見するショーケース、時には地域のシンボルと捉え、域外資本を還流させて、人と人を繋げることで地域の活性化に貢献している。
創業10年目となる2020年2月には、同社がプロデュース・運営するデスティネーションホテル/リゾートブランド『okcs(オックス)』が誕生した。クリエイティビティとユニークな発想と温故知新の精神で、地域の魅力となる光を見つけ、確かな形にして国内外のゲストに届けるという。同ブランドの運営施設には、愛媛県松山市の「瀬戸内リトリート青凪」、神奈川県足柄下郡箱根町の「箱根リトリート fore(フォーレ)」「箱根リトリート villa 1/f(ヴィラワンバイエフ)」、そしてこの度リブランドした「壱岐リトリート 海里村上」がある。
「壱岐リトリート 海里村上」の前身となる「海里村上」は、2018年夏に同社が運営会社として事業を継承した。同施設は、かつて福岡の財界人がお金を出し合って作られた特別な会員制施設だった。2006年に前オーナーがその施設を買い取り、旅館「海里村上」としてリニューアルオープンした。海の眺めと地域素材をふんだんに活かした料理が評判を呼び、JTB最高ランクの「華やぎ」にも選出されたほか、2009年度にはJTBのサービス優秀旅館・ホテルにて最優秀旅館賞を受賞した、九州で指折りの名旅館だった。
同社は「想いをつなぐ事業承継」を今後の事業の柱の一つとして掲げており、同施設が第一号案件となった。「全国には健全経営ながら後継者不在の旅館やホテルが少なくありません。このような旅館やホテルの運営をシームレスに承継し、オーナーの大切にしてきた部分を守りながら、時代に合わせた運営手法を導入していくことで、その健全性をさらに高めて参る所存です」と述べていた。同施設は壱岐を訪れる人が泊まる宿ではなく、その宿があるから壱岐を目指すという、いわゆる“デスティネーション・リゾート”として磨き上げていく。そのために、壱岐と海里村上だけが提供できるユニークさを改めて発掘し効果的に訴求していき、福岡都市圏からのリピーターだけではなく、首都圏をはじめとした全国のトラベラーをターゲットにしていくという。
2019年7月11日には第1期工事としてスパや鉄板焼ダイニング、ライブラリを新設し、より充実した施設環境を整えてきた。その後、第2期工事として全15部屋の客室を全12室に、また全室に源泉露天風呂を設置し「壱岐リトリート 海里村上」として名称を改めリブランドオープンする運びとなった。2019年12月には、世界中のデザイナーズホテルを厳選している「デザインホテルズ」に加盟した。さらに「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」において、日本の離島で唯一の5パビリオンに紹介されるなど支持されている。
今回のリブランドでは、同施設を「宿泊施設を超えた壱岐の魅力を発見する地域のショーケース」と位置づけ、壱岐を五感で感じる充実の施設と、ここでしか体験できないアクティビティを提供していく。また社員一人ひとりが目標を持ち、SDGsの活動にも積極的に取り組んでいる。同社は「長崎県から飛行機で約30分、福岡県から船で約60分の離島『壱岐』に位置する、時空を超えた離島リゾートをぜひお楽しみください」と述べている。
神々が集うと言われる島・壱岐は玄界灘沖に位置し、日本国土誕生の際にできた島の一つといわれ、島には1,000もの神社や祠があることから古来より「神々の島」と呼ばれており、歴史のある島にはパワースポットが点在する。「壱岐リトリート 海里村上」は、自然をはぐくむ海陸から採れる豊富な旬の幸や濃度の高い良質な温泉とともに堪能できる宿だ。
施設へのアクセスは壱岐島の各港から車で約15分、壱岐空港から車で約25分。出発時の壱岐各港・空港~施設の無料送迎(完全予約制)も行っている。1泊2食付2名1室利用時の一人あたりの宿泊料金は45,000円~(消費税別)。全室オーシャンビューで、夕日百選にも選出された「湯本湾」の夕日を眺められる。蒼色の海から茜色の夕日、漁火が灯る夜景へと刻々と変化する情景の中、露天風呂に浸かる贅沢を楽しめる。一面絶景のオーシャンビューの客室露天風呂でゆったりと温泉につかり、客室でゆっくり過ごすことができる。
壱岐の食材は海産物だけでなく、壱岐牛や季節の野菜など食材は四季を通して恵まれている。和食レストラン「玄」では会席料理と鉄板焼きを、壱岐の素材の良さをさらに引き出した、シンプルながらもダイナミックな料理を通じて提供している。島の特徴を生かした生産方法で作られた、旬の素材そのものの美味しさを追求する“ホンモノ”思考の料理を、日本の良さを再発見できるお酒とともに楽しめる。
館内には、海を一望できる2つの露天風呂と大浴場を用意した。金色に輝く温泉は、濃度が濃いことを示す「高張性」で、昔から成分が浸透しやすい湯治場として地域の人々に親しまれてきた。その歴史は非常に古く、約1,700年前から湧出していたと伝えられている。殺菌力と保湿力が高く、肌の角質を落としながらも潤いを保つ美肌の湯としても重宝された泉質である。温泉ソムリエ家元の遠間和広氏からも「落として覆う理想的な美人の湯」と評価されている。
「KAIRI SPA」には、スパ素材に壱岐島の恵みを取り入れ、オールハンドのタッチとゆったりと流れる時間に身を委ねられる「スパトリートメント」の他、海を一望できる源泉掛け流しの「プライベート温泉」と、自然光が心地よい「フィットネスジム」を併設している。壱岐島に与えられた自然由来のエネルギーとともに、健やかで美しい心と肌、身体のバランスをトータルで整えることができる。
壱岐島は東西に15キロメートル・南北に17キロメートルと決して大きくないが、30ヶ所ほどビーチを有している。海水浴や釣りなどを楽しめることに加え、イルカと触れ合える「壱岐イルカパーク」もある。また、壱岐の歴史を知れる「一支国博物館」、島全体が神域とされる「小島神社」、壱岐島誕生の神話にも出てくる「猿岩」など見どころが多い。同ホテルでは環境に配慮した電気自動車のレンタカーサービスも行っており、島内の観光に便利だ。さらに、男嶽神社神職によるプライベートツアー、クリアーシーカヤック、壱岐島一周クルーズ、サンセットクルーズ、勝本せりツアー、農業体験ツアーなど、壱岐ならではの特別なアクティビティを用意し壱岐島を存分に楽しめそうだ。
「壱岐リトリート 海里村上」は、泉質の良い温泉や地元の旬の食材を使った料理も楽しめ、オーシャンビューの客室でゆったりと過ごせる。壱岐島はまだ外国人観光客が少ないといい、喧騒から離れ心身を癒すのにぴったりな場所と言えるだろう。同社は「海里村上」の事業継承の際、「「想いをつなぐ事業承継」を通じ、現代的な運営手法を導入しながら、地域の「誇り」になるような宿へと磨き上げていきます。そして、地域に点在する日本文化の多様性を守っていくために、少しでもお役に立ちたいと考えております」と述べており、今後の展開に注目していきたい。
■「壱岐リトリート 海里村上」こちら。
■「okcs」ブランド公式サイトはこちら。
【参照記事】
・全室源泉露天風呂を設置、第2期改装を経て 唯一無二の離島リゾートが誕生 「壱岐リトリート 海里村上」
・ホテル旅館の運営会社「温故知新」創業10年目の挑戦 新ブランド『okcs』を立ち上げ、地域活性化に取り組む ~2020年2月1日より~
・九州屈指の高級旅館「海里村上」を 株式会社 温故知新が事業承継
(HOTELIER 編集部)