兵庫・城崎温泉にラグジュアリー旅館「炭平別邸 季ト時」が開業、女性をターゲットに“美食同源”を提供

創業150年の老舗「炭平旅館」を営む有限会社炭平旅館は2020年2月1日、兵庫県豊岡市・城崎温泉に「炭平別邸 季ト時(スミヘイベッテイ トキトトキ)」を開業した。100年を超える文化遺産建造物「旧あさごや旅館」を改築した旅館で、業界初の試みも多数取り入れ、ラグジュアリーで唯一無二の旅館を目指している。

「炭平別邸 季ト時」は、 JR城崎温泉駅から徒歩5分に位置する「温泉街と湯治場ステイのラグジュアリー体験」がテーマのラグジュアリー旅館だ。チェックイン時に支払いを済ませ、地元の魅力的な食・ドリンクをフリー(追加料金無料)で楽しめるオールインクルーシブの優雅なスタイルを提供している。客室数は6室限定で、宿泊料金は一人あたり30,000円~(1泊2食付き、消費税・入湯税別)。母娘2世代の小旅行に、友達とのかけがえなのない想い出旅行に、「温泉」「セルフスパ」「食事」の3つの養生を通して日常の心身の疲れを解放し、健やかな心と身体へと導く滞在メニューを提供する。

建物は、情緒あふれる城崎温泉街に面した歴史建造物をリノベーションした。間人蟹(たいざかに)で有名な「炭平旅館」が満を持して城崎温泉に開業した同旅館は、大胆なデザインで数多くの賞を獲得している株式会社スーパーマニアックとのコラボレーションで誕生した。城崎温泉の優雅な温泉街を見下ろす着物天空ラウンジは、レディーガガの着物も手掛ける日本屈指の着物デザイナー・斎藤丈太郎氏の着物デザインだ。

1階の茶釜処では、15時~18時に抹茶体験ができ、和漢アロマティーを楽しめ、18時~21時には奥土釜から上がる蒸気で「温泉極楽蒸し」を楽しめる。同じく1階に源泉掛け流し温泉が2つあり、滞在中の好きな時間に利用できるという。 また3階のラウンジでは1日4回、フードプレゼンテーションを用意しており、発酵や和漢植物を取り入れたフリードリンク・フリーフードを提供する。

同旅館は、さまざまな「初」に取り組んでいる。旅館支配人は“日本初”のミャンマー人で、旅館売上の1%をミャンマーの孤児院や医療財団に寄付する“業界初”の試みをしている。さらに“小規模旅館で初”の取り組みとして、チェックイン・チェックアウト機を導入し、本来大切にしたい「お客様の想い出体験」にサービスを集中している。

また「女性の美を追求する湯治」「母娘旅行」をテーマに、女性に嬉しい食事やサービスを提供する。お茶・発酵・和漢植物といった“美食同源”の、日本伝統の美のエッセンスを取り入れたフードセラピーメニューを用意している。滞在中は「和漢アロマティーと豆花のアフターヌーンティー」「抹茶体験と和菓子」「極楽蒸しと薬味ソースのビュッフェ」「ナイトカクテルタイム」「二十四穀の養生粥と発酵朝ごはん」を楽しめる。

「湯治セルフスパ」では、温泉+アロマと植物の力で心と身体の不調和を解き放ち、全身の巡りを整えることができる。美肌やデトックス、ストレス緩和、冷え改善など、女性の美と健康をサポートする温泉の持つ力に着目し癒しを提供する。お風呂の中・お風呂上がりにゲスト自身で行うFace・Body・hairのセルフトリートメントメニューを源泉かけ流し温泉と共に楽しめる。

発酵食品や薬膳などを取り入れた飲食店が増えたり、温泉やサウナなどでリラックス・デトックスし体を整えることがブームになるなど、年々健康志向が高まっている。「炭平別邸 季ト時」では源泉かけ流し温泉や湯治セルフスパがあり、この旅館ならではの癒しを体験できる。提供する食事も“美”を意識したメニューとなり、心も体も癒される旅館として女性を中心に人気を集めそうだ。

豊岡市は「小さな世界都市 -Local & Global City-」を実現するため、基幹産業である観光産業のあるべき姿や今後の方向性を示すとともに、さらに取り組みを加速させるため、2019年3月に『豊岡市大交流ビジョン』を策定した。これによると、2017年の国内旅行の観光入込客数は日帰り客301.2万人、宿泊客118.8万人だった。近年、日帰り客は微減傾向、宿泊客は微増傾向にある。また城崎温泉の宿泊客は繁忙期・閑散期の差が大きく、「地域経済の安定に向けた観光需要の平準化も大きな課題のひとつ」としている。

また、関西圏からの観光客が全体の約8割を占め、その中でも京都府・大阪府・兵庫県で約96%を占める。豊岡市にとって最大のマーケットである関西圏は、首都圏に比べ大きく人口減少すると見込まれており、関西圏からの来訪者に依存し続けては観光産業に影響が出るとしている。「関西市場に偏重した状態から脱却するには、首都圏などの新たな有望市場からの誘客を強化する必要があります」と述べている。

一方、訪日外国人旅行者はインバウンド誘客施策が功を奏したといい、2012年以降に急速に伸び、外国人延べ宿泊者数は2011年の1,118人泊から2018年には54,330人泊へと大きく成長し過去最高を記録した。外国人旅行者へのアンケートでは約8割が城崎温泉に宿泊しているが、平均宿泊日数は1.3泊と短い。なお、2019年の延べ宿泊者数は63,648人泊(速報値)だった。

同ビジョンの中目標(KPI)の基本的な考え方として、国内延べ宿泊者数は現状を維持しつつ、訪日外国人延べ宿泊者数の増加と消費額単価の向上により、全体の観光消費額を2017年度の466億円から2030年度に517億円へ増大を目指す考えだ。具体的には、国内の宿泊消費額単価を24,721円から26,000円へ成長させる。インバウンドは日帰り来訪者数を3.1万人から9.6万人、延べ宿泊者数を5.2万人泊から16万人泊、宿泊消費額単価を21,578円から23,000円へと成長させる。

また豊岡市は2016年6月、全但バス株式会社、WILLER株式会社、株式会社但馬銀行、但馬信用金庫とともに、観光による地域経済の活性化を進めるため観光推進の専門機関「豊岡観光イノベーション(TTI:Toyooka Tourism Innovation)」を設立した。「ローカル&グローバル」をキーワードに、観光まちづくりの観点から地域の関係者の力を結集し、顧客視点に立ち、地域の魅力を再編集して地域の稼ぐ力を引き出し地域経済の活性化に寄与するという。マーケティング事業をはじめ、英語とフランス語によるインバウンド向けの宿泊予約サイト『Visit Kinosaki』の運営などさまざまな事業を展開しており、豊岡市の観光活性化を後押ししそうだ

■「炭平別邸 季ト時」公式サイトはこちら

【参照記事】
100年の歴史文化遺産をリニューアル、全6室の寛ぎ  城崎温泉 炭平別邸 季ト時(スミヘイベッテイ トキトトキ)開業
【参照サイト】
・豊岡市|豊岡市大交流ビジョンを策定しました
・豊岡市|2019年外国人延べ宿泊者数の状況(速報値)
・豊岡観光イノベーション

(HOTELIER 編集部)


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