サムティ、2020年度開業に向けて“宿泊特化型ホテル”を京都と名古屋に開発、オペレーターは仏アコー
サムティ株式会社は、京都市下京区京都および名古屋市中村区にて開発する2ホテルについて、仏アコーをオペレーターとして2020年に開業することが決定したと発表した。
同社は、2019年度から2021年度までの3ヵ年の中期経営計画「サムティ強靭化計画」において、オフィス開発含む約850億円を投じて、ホテルニーズの高い大都市圏でのホテル開発事業を推進していく「ホテル開発事業の展開」を重点戦略の1つとして掲げている。
国土交通省の宿泊旅行統計調査(2018年)によると、2018年度の全国のホテルの延べ宿泊者数は約5億900万人泊となり、中でも外国人の延べ宿泊者数は約8,900万人泊(前年比11.2%増)と増加を続けている。また、全国平均のビジネスホテルの客室稼働率は75.3%と高水準を維持しており、ホテル市況は堅調に推移している。そういった状況のもと、同社は京都と名古屋に新たに2棟の宿泊特化型ホテルを開発し、2020年度の開業を目指すこととした。
2020年春に開業予定である『メルキュール京都ステーション』は、JR京都駅より徒歩4分に位置する地上10階地下1階建て・全225室のミッドスケールホテルだ。京都は、アメリカの大手旅行雑誌「Travel+Leisure」が実施する、世界の人気観光都市を決める読者投票「ワールドベストアワード2018」にて、ワールドベストシティ5位にランクイン(7年連続でベスト10入り)するなど、特に外国人観光客に人気のあるエリアである。
ホテル内はフランスならではのスタイリッシュな空間に、京都の「平安京、貴族の遊び」をテーマにした和のモチーフがさりげなく取り入れられたデザインで、シングル・ツインの構成からなる客室のほか、ロビーに隣接したライブキッチン形式のビストロレストランとバー、最新技術を駆使したカラフルなデジタルアートやライブラリーを併設したラウンジスペースを地下に完備。観光からビジネス等、国内外から訪れる幅広いゲスト層が利用できる贅沢な空間となっている。
一方、2020年夏に開業予定の『イビススタイルズ名古屋』は、JR名古屋駅より徒歩9分に位置する地上13階地下1階建て・全284室のホテル。「イビススタイルズ」は、スタイリッシュなデザインが特徴のミレニアル世代をターゲットとしたエコノミーブランドで、機能性を重視した設計の客室は、最新のブランドスタンダードに沿ったポップなカラーとデスク周辺にあるクリエイティビティが遊び心を感じさせるデザインが魅力である。
2027年にはリニアモーターカーが開通する予定であり、今後更なる注目が高まる名古屋の中心地に所在するため、ビジネス利用はもちろん、名古屋城、熱田神宮などの観光地や食文化の拠点として様々な宿泊客の需要に応えていく。
このたび開発する2つのホテルは、フランス・パリを拠点とし、世界100ヶ国に4,800を越えるホテルやリゾートを展開する世界最大級のホスピタリティーグループであるAccor(アコー)がオペレーションを担う。これにより、世界的に高いブランド遡及力とオペレーション能力が期待できるという。同社は「優れたロケーション+サムティ×アコーの相乗効果により、高品質のホテルを供給いたします。」と述べている。
名古屋市が発表した「名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成29年)」 の年間宿泊者数(推計値)によると、全施設の年間総実人数は約624万人・うち外国人総実人数は約111万人で、宿泊者の17.9%が外国人が占めていた。3年連続で外国人宿泊客実人数が300万人を突破する京都市に比べ、名古屋市の外国人宿泊者数の伸びは緩やかだが、名古屋市内には名古屋城や東山動植物園、熱田神宮など豊富な観光資源があるほか、リニアモーターカーの開通を控えるなど、今後も国内外の観光客の増加が見込める。
いずれも200室を超える同社の大型ホテルの開業を機に、京都・名古屋の街がますます盛り上がりを見せていくことを期待したい。
【参照記事】
サムティ、京都と名古屋に新たに2ホテルを開発 ~仏アコーをオペレーターとして 2020年開業へ~
【参照サイト】
・京都観光総合調査 平成29年(2017年)1月~12月
・平成29年名古屋市観光客・宿泊客動向調査 本編
(HOTELIER編集部)