京王グループ、中長期滞在者向け宿泊施設「KARIO SASAZUKA TERRACE」を2019年3月に開業
京王電鉄株式会社と京王不動産株式会社は2019年3月18日、京王線笹塚駅前に古くからある「京王笹塚ビル」をリノベーションした複合施設『笹塚テラス』内に、中長期滞在者向けの宿泊施設「KARIO SASAZUKA TERRACE(カリオ笹塚テラス)」を2019年3月25日に開業すると発表した。地下1階には、株式会社ネイキッドが企画・演出・製作を手掛ける地域交流ラウンジ「笹塚アキチ!ツナガルラウンジ」を設ける。
笹塚駅周辺は新宿からアクセスが良いことに加え、商店街や住居が集積し生活利便性の高いエリアだ。地方や海外から来る都内旅行者の宿泊場所としても、人気のあるエリアの一つである。
その笹塚駅から徒歩1分に位置する「カリオ笹塚テラス」は、2017年2月に開業した一棟丸ごとの宿泊施設「KARIO KAMATA(カリオ鎌田)」(全14室)に続く2号店。旺盛なインバウンド需要や多様化する宿泊・滞在ニーズに応え、自宅にいるような感覚で「暮らすように泊まる」「暮らすように滞在する」ことができる設備やサービスを備えている。フロントを設置し対面形式によるチェックインや料金収受を行うほか、清掃なども含め京王不動産が一括管理する。予約業務などは株式会社SQUEEZEと一部連携する。
同施設は、客室フロアである建物4~6階に全18室の規模で展開する。定員2名・3名・5名の3タイプを用意し、キッチン・冷蔵庫・電子レンジ・調理器具などを備えている。宿泊料金は1泊1室15,000円~。渋谷区および株式会社フクフクプラスと連携し、渋谷区の障がい者と学生が共同で作成した障がい者アート(シブヤフォント)をルームキーホルダーに採用している。
また、商店街・飲食店など地域との連携を強化しながら地下1階にある「笹塚アキチ!ツナガルラウンジ」にてプロジェクションマッピングによる地域情報の発信を行い、旅行者にエリア内での消費を促す。さまざまなイベントも開催し、インバウンドを中心に来街者を京王沿線に呼び込み、街の活性化にも繋げる考えだ。将来的には、“街全体を一つのホテルとして”新しいスタイルの提供を目指している。
「笹塚アキチ!ツナガルラウンジ」では旅行者・施設利用者・地元住民など、言語や年齢を超えて交流可能なコミュニケーションが生まれる空間を創り出すという。渋谷区・笹塚エリアの民泊施設のチェックインカウンターとしての機能も持ち、民泊施設の適正化を図ることなども目的としている。ラウンジ名には、その場所の楽しみ方や過ごし方を作る「空地(AKICHI)」という言葉で、童心に返ったかのようなクリエイティブな時間を過ごす場所になってほしいという想いが込められている。
同ラウンジでは、フレマップアプリと連動したプロジェクションマッピング演出で、笹塚への旅行者数や実際の天気と連動する壁アートを楽しめる。さらに、ドーナッツ状のテーブルにセンシング機能を取り入れ、飛んでくるボールをタッチするごとにポイントが加算されて競い合う「勝手に1000本ノック」など、大人数で参加可能なゲームも楽しめるという。
セルフチェックインシステムを導入する民泊施設が増えてきている中、「KARIO SASAZUKA TERRACE」は対面形式のチェックインや料金収受を取り入れており、宿泊客や周辺住民がより安心できる宿泊施設と言える。東京都の調査によると、2017年に東京都を訪れた訪日外国人の宿泊数は「4~6泊」が最も多く、中長期滞在向けの設備が整った同施設はこうしたニーズを取り込むことができそうだ。また、ラウンジでのプロジェクションマッピングを利用した情報発信も珍しく、他の宿泊施設との差別化を図ることもできるだろう。日本国内や世界から笹塚エリアへ訪れるゲストが集まり、交流が生まれ街を盛り上げていく施設となることを期待したい。
■「KARIO SASAZUKA TERRACE」公式サイトはこちら。
【参照記事】
京王電鉄と京王不動産、宿泊施設「カリオ笹塚テラス」開業
【参照サイト】
・京王沿線で初となるKARIOシリーズ「KARIO(カリオ) SASAZUKA(ササヅカ) TERRACE(テラス)」が3月25日(月)にオープンします!
・渋谷区の遊べる地域交流ラウンジ、ネイキッドが演出
・平成29年国別外国人旅行者行動特性調査報告書
(HOTELIER 編集部)