福岡市に2年間でホテル33棟開業、博多と天神を中心に過去最大の開業ラッシュ。
福岡市は、2020年3月までの2年間に、ホテルが新たに33棟(約5,250室)開業する見通しであることを明らかにした。外国人客増加の影響が大きく、現状の約2万6千室から2割増え、過去最大の開業ラッシュとなりそうだ。
福岡市観光産業課によると、ホテル・旅館の客室数は2009年から2万4千室前後で推移している。2017年は12棟・1,300室以上増えた。需要も拡大し、2017年の稼働率は5年前と比べて11ポイント増の平均84%となり、全国平均より24ポイント高い。週末を中心に予約が取りづらく、出張・観光・受験に支障が出ているという。
今後、アジアの成長や福岡空港の滑走路増設が見込まれ、大手企業や地元企業が積極的に出店を計画している。博多と天神を中心に、2018年度は26棟(3,637室)、2019年度には7棟(1,614室)が新設される予定だ。さまざまな業態のホテルが開業し、総客室数は3万室を超える。
東急ステイ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:清水竜太)は、長期滞在に対応する「東急ステイ」の博多店(216室)を2018年夏に、天神店(252室)を2019年春に開業予定だ。JR西日本(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:来島達夫)は、手頃な価格帯の「ヴィアイン博多(仮称)」(約200室)を2019年春に開業予定で、JR西日本グループのホテル事業として初の九州出店となる。
JR九州(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:青柳俊彦)は、博多駅近くに“博多の粋 日本の文化を感じるハイグレードホテル”がコンセプトの高級ビジネスホテル(238室)を、2019年秋に開業予定だ。その隣には、三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菰田正信)が、2019年夏に福岡県内で初となる「三井ガーデンホテル」(約300室)を開業予定である。
さらに、株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長: 澤田秀雄)は、2018年12月に「変なホテル福岡 博多(仮称)」(約100室)を開業し、株式会社フリープラス(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:須田健太郎)は、2019年2月に訪日客特化型ホテル「FP HOTELS福岡博多キャナルシティ前(仮称)」(60室)を博多で開業予定だ。
開業ラッシュとなる一方で、訪日客の増加が著しいため、ホテル不足が解消するかどうかは不透明だ。福岡市内の外国人宿泊客は、韓国と中国が6割を占めている。政治・経済情勢によっては急減し、空室となる可能性もある。九州経済調査協会の片山礼二郎調査研究部長は「観光都市として安定成長するには東南アジアや欧米の客を増やすことが重要」と指摘したという。
【参照記事】
「宿泊難」の福岡市にホテル33棟 2年で5250室、2割増へ 過去最大の開業ラッシュに
【参照サイト】
・港区・京都市・札幌市・福岡市にて新規開業 ホテル「東急ステイ」 地方初出店~2017年以降地方主要都市への出店加速~
・~ホテル「東急ステイ」 福岡2店舗目~福岡天神 新規出店決定
・JR西日本グループホテル事業九州初出店!ヴィアインホテルチェーン26棟、6,400室達成!「ヴィアイン博多(仮称)」「ヴィアイン心斎橋西(仮称)」「ヴィアイン東京日本橋(仮称)」新規出店(2019年開業予定)のお知らせ
・「博多駅前二丁目複合ビル(仮称)」開発概要及び安全祈願祭のお知らせ
・「(仮称)博多駅前二丁目ホテル計画」着工 福岡県初となる三井ガーデンホテル 2019年夏 開業予定
・世界一の生産性を目指す「変なホテル」都市宿泊型の新規開業計画発表
・2019年初春、福岡博多に訪日客特化型ホテル「FP HOTELS」を開業予定
【コーポレートサイト】
・東急ステイ株式会社
・西日本旅客鉄道株式会社
・九州旅客鉄道株式会社
・三井不動産株式会社
・株式会社エイチ・アイ・エス
・株式会社フリープラス
【サービスサイト】
・東急ステイ
・ヴィアインホテルチェーン
・三井ガーデンホテルズ
・変なホテル
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(HOTELIER 編集部)