京都で築100年超の京町家ホテルが開業。三田証券が不動産小口化商品として投資募る
今年8月に、京都で築100年超の京町家をリノベーションして作られたホテルが開業することが分かった。この再生プロジェクトは不動産小口化商品として販売され、法人・個人含め14人の投資家が参画しているという。
手掛けたのは、三田証券株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:三田 邦博氏)。1口100万円(ただし10口単位)で予定利回り率6~7%程度と想定して販売。14人の投資家は、セミナーなどでの告知後1ヶ月足らずで集まったという。富裕層向けの顧客が多い同社は、不動産投資についての相談を受けることも少なくなかったことからこの事業の立ち上げを決めた。昨年不動産本部を作り、12月に金融庁、国土交通省の不動産特定共同事業法の許可を取得していたという。
同社不動産事業本部の杉山憲三氏は、「まず古民家のリノベーションプロジェクトを不動産小口化商品とするケースは非常にめずらしい。そして、不動産投資にもかかわらず、1,000万円くらいで投資ができるというメリットを感じてもらえたことはもちろんですが、解体されて年々減っていく京町家をみんなで残すという投資が、社会貢献につながるからという理由で購入いただいた方もいました」と話している。
不動産小口化商品のメリットは、通常の不動産投資に必要な建物の維持・管理・運営をプロに任せられること。今回のプロジェクトも、改修は明治43年創業の老舗工務店の中蔵(本社:京都府京都市、代表者:石川 耕三氏、青木 義照氏)、宿の運営は宿泊施設の管理などを行うアールスクエア株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:志水 龍氏)、集客は町家のポータルサイトを運営するJITホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:岩元 哲也氏)が手がける。
同じく京都の町家5棟をホテルへとリノベーションする、プロジェクト第2弾も進行中。杉山氏は「京都は観光都市として魅力的な地域で、かなりいいマーケット。社会貢献的な意味合いも理解いただけるように投資家の方や町家をお持ちのオーナー様に魅力を伝えていきたい」と語っており、今年度は10棟以上手がける意向だという。
【参照記事】
三田証券、投資家たちが「京町家」を再生
(HOTELIER編集部)