札幌の藤井ビル、ホテル事業参入へ。札幌市内のオフィスビル改装し6月中旬開業
札幌市で賃貸マンション、テナント事業を手がける株式会社藤井ビル(本社:北海道札幌市、代表取締役:藤井 將博氏)が、ホテル事業に参入することが明らかになった。同市白石区のオフィスビルを改装し、6月中旬にホテルとして開業する。
「HOTEL POTMUM STAY&COFFEE」と名付けられたホテルは、札幌市営地下鉄菊水駅から徒歩3分の場所にある。2016年3月末にオフィス機器メーカーが保有していた延べ床面積約1200平方メートル、3階建てのビルを買収しホテルに改装した。ビル取得費用や改装費用を含めた総投資額は4億5千万円前後。2~3階が客室で、総客室数は19だ。
1階にフロントを置くほか、札幌の老舗喫茶店・森彦と提携し藤井ビル直営のカフェスペースを開く。営業は午前7時~午後11時で、宿泊客以外も利用可。雑誌や書籍など2000冊超をそろえ、サンドイッチやパスタなどを提供する。
2階客室には2段ベッドを配置し、一室に4~7人が宿泊できるようにする。軽食や調理を可能にしたキッチン付きのオープンスペースを設け、家族連れや女子会の利用を見込む。相部屋となるドミトリーとしての利用も可能。
3階はシングルやダブルを主体に、ツインやトリプルルームも設けている。各部屋にキッチンを完備したコンドミニアムタイプ。ビジネス客だけでなく、避暑など長期滞在客の需要も取り込む。
宿泊料金は未定だが、ドミトリー利用の場合は1泊素泊まりで3,500~4,000円を予定。外国人観光客の急増で札幌市内のビジネスホテルの料金は上昇しつつあるが、ビジネスホテルとカプセルホテルの中間の料金帯設定とすることで、競合を避けながら新たな需要を開拓したい意向という。
札幌市内は、今年上半期だけでも「ホテルWBF札幌すすきの」が3月30日、「BIZCOURT CABIN(ビズコートキャビン)すすきの」が3月31日、「札幌ビューホテル大通公園」が5月3日にオープンするなど、ホテル激戦区となっている。
藤井ビルの古屋賢司専務は、「民泊の規制緩和もありホテル業界の競争は激しくなるが、長期滞在できるコンドミニアムタイプなどニーズはあるものの他社が手薄なサービスはまだある。1号店を足がかりに、不動産業のノウハウを生かしたホテル事業を展開していきたい」と語り、ホテル事業を収益の新たな柱に育てたい考えだという。
【参照】
不動産の藤井ビル、ホテル業参入へ オフィスビルを改装 来月札幌に
北海道で新しくオープン・リニューアルするホテル・旅館一覧
(HOTELIER編集部)