美容・スパが『ホテル選び』の基準の一つに。パリ生まれのスキンケアブランド「YON-KA」

YON-KA」は1954年に創設されたスキンケアブランド。一人ひとりの肌・心・身体の状態にあわせたトリートメントとホームケアを行うことで、高い効果を実感できると今では世界50カ国以上の一流スパやサロンで取り入れられている。

今回は来日した同社のExport DirectorであるBruno Le Deun氏(ブルーノ・ルダン※以下、Bruno氏)、および同ブランドの日本における独占販売権を獲得し直営店「レスパスヨンカ表参道」を運営する、ヴィセラ・ジャパン株式会社の代表取締役:武藤興子氏(以下、武藤氏)にお話を伺った。

日本唯一のスパアワード『スパ クリスタルアワード』にて2度「ベストスパ」に選ばれている「レスパス ヨンカ表参道」

治療を目的として生まれ世界中から愛される「YON-KA」

「YON-KA」が生まれたきっかけとは?

Bruno氏:今から約65年前、植物学者であるフランス人のミュルタレア兄弟により、植物の治癒する力に着目して生まれたブランドです。
当初は皮膚疾患、火傷やリュウマチなど、治療を目的とした製品をドクターや薬剤師と開発し提供していましたが、一般向けに提供することにビジネスチャンスがあると考え、早くして美容業界に向けた製品づくりにシフトしていきました。

ブランドのコンセプトを教えてください

Bruno氏:一番は、トリートメントや製品を通し“結果を出す”ことを目標にしています。その次に重要視しているのが“バランス”。使っている製品で結果を出すことはもちろんですが、それと同時にリラクゼーション効果も得られるため、単に結果だけを追い求めるのではなく、「結果」「リラクゼーション」の2つのバランスをとても重視しています。

武藤氏:ブランドメッセージにある、Nature(自然)・Science(科学)・Efficacy(効果)・High Touch Expertise(専門性)・Wellness(ウェルネス)は、YON—KAを構成する5つのエレメント。これらが調和することで、YON-KAが定義するウェルネスの状態(心身の真の健やかさと美しさ)を生み出します。 また、「クイントセンス」というものがあり、そこには「ラベンダー」「ゼラニウム」「ローズマリー」「サイプレス」「タイム」の5つの基本ハーブが必ず含まれています。この5つに他の130種類以上の植物を組み合わせて製品を作っています。

ブランドネームである「YON-KA」は、“生命の川、清められた水であり、すべてを動かすエネルギーの源”の意味であるYON(ヨン)と、“すべての生命体に宿る本来の力”を意味するKA(カ)の2つの言葉でできており、静と動、光と影、陰陽など、相反するものが一つになるという意味が込められています。それが「トリートメントと製品」、「効果とリラクゼーション」などのバランスに繋がっていますし、エッセンシャルオイルの配合にも同じことが言えます。

YON-KAのエッセンシャルオイルには、「ラベンダー」と「ローズマリー」が入っていますが、アロマをよく知っている人はおそらく不思議に思うかも知れません。ラベンダーには癒しの、しかしローズマリーには活性させる効果があります。
一見相反するように見えますが、鎮静が必要なのか、活性した方が良いのかなど目的や肌の状態に合わせて希釈度や配合量が調整され製品が開発されています。

YON-KAでは一人ひとりの症状に合わせ、現在80種類以上の製品を取り揃えている。

どのような製品があるのですか?

Bruno氏:大きく分けて、スパやサロンで使うプロフェッショナルなものと、ホームケアで使っていただくものがあります。その中でもフェイス、ボディ、サンケアのジャンルに別れ、ベーシックケアやアンチエイジング、それに日本の化粧品会社ではあまり作られていない、セラピューティックという治療目的のものがあります。

例えば「赤みがでる」という一つのトラブルであっても、熱によるものなのか、炎症によるものなのかとそれぞれ原因は異なります。そういった症状に合わせ最適な製品が作られていった結果、現在は80種類以上というラインナップになっています。これにより、目に見てわかるような結果が出るのです。

どんな方に支持されているのですか?

Bruno氏:いかなるコンディションにも対応していけるラインを揃えているので、どの方にでも使っていただきたいと考えています。しかし現状としてユーザーの多くは女性であり、中でもメインは30代から60代。やはりホテルの中にスパがあることもあり、そこに来られるのはある程度年齢層が高い方なのだと考えています。

日本という市場をどのように見ていますか?

Bruno氏:日本市場はとても大きいことと、日本でいいパートナーに巡り合えたということ、そしてブランディングをしっかり行い、クオリティに関して高い評判を築いて来たと感じています。今後も、ホテルの価値を上げるスパのパートナーとして、ネットワークを広げて行きたいと思っています。

ホテルの価値を上げるスパのパートナーとしてネットワークを広げていきたいと語るYON-KAのExport Director:Bruno Le Deun氏

日本で唯一YON-KAの販売権を得た「ヴィセラ・ジャパン」

YON-KAとの出会いについて教えてください

武藤氏:建築、IT、役所、メーカーなど、これまで私は様々な業界で働いていました。前職が化粧品関連で、パリに行った際にたまたま「YON-KA」製品を見つけ買って帰ったのですが、それから半年ぐらい経って、私の変化に周りが気づき始めたのです。私自身も変化は感じていたのですが、周りからの反応が予想以上に大きかったです。

肌トラブルを抱えていた私が一番驚いたことは、トラブルが収まるだけでなく“起きにくくなった”ということ。正直YON-KAと出会う前は、「植物性」「アロマ」といったものにはあまり興味がありませんでした。でも使い始めて半年ぐらいで肌が変わったことに加え、原因不明のだるさや体調不良が劇的に改善し、どんどん元気になっていきました。その要因は何なのかと考えるようになりYON-KAに辿り着きました。

植物という自然のものを使うことや職人的なモノづくりの過程、それに携わる作り手の想いや情熱、そして創設者である生物学者のファミリーなど、様々な要素に心を打たれた私は会社を退職。無職のまま2004年に会社設立し、1年半にも亘りYON-KAと交渉をした後に日本での独占販売権を獲得し、直営店である「レスパス ヨンカ表参道」をオープンしました。

世界唯一の直営店「レスパス ヨンカ表参道」では、高い技術力とおもてなしで、芯からのくつろぎを体験できる。

日本ではどこでYON-KA製品が使われていますか

武藤氏:YON-KAが日本に入ってきた2005年当時は、ちょうどスパが注目され始め、次から次へと外資系ホテルがスパを広げていった時代でした。私たちもまずは直営店をオープンしようと表参道に出店したほか、5つ星ホテルでの展開を重視し、ホテルスパをメインとする国内約20か所で展開をしています。

スパ激戦区で約15年間続けられたコツを教えてください

武藤氏:ひとつは製品のクオリティと技術力の高さで、1回目から目に見える違いが実感できるからだと思います。実はオープン当時、あるお客様が無表情で帰られたことがあり、それが気になり走って追いかけ聞きに行ったことがありました。その時にサービスやホスピタリティの重要性を改めて思い知り、どうしたらベストな形で届けられるかを常に考え続け、独自の「おもてなし基準」なるものを作成、実践していったという経緯があります。

もうひとつは、リテール(ホームケア製品)がしっかりと購入につながることです。技術だけではなく、ホームケア製品が売れるというのは、スパ単体で利益を上げるためには必須の要素です。今では、リテールの売上を上げるためのプログラム作成や研修の依頼も増え、日本独自でコンサルのような役割を担うこともあります。直営店での展開とホテルスパでの業務を通し、ノウハウが蓄積され、それを取引先であるホテルスパを活性すべく還元するようにしています。

自身の肌トラブルや体調不良が改善したことから、YON-KAと直接交渉の後に日本での独占販売権を獲得した、ヴィセラ・ジャパン株式会社代表取締役:武藤興子氏。

どれくらいの周期でお客様はスパに通われているのですか

武藤氏:肌の改善ならターンオーバーに合わせて、28日や1ヶ月に1回くらいのペースで来ていただいています。体調改善やリラックスなら必要だと感じた時や頻繁に来店されるお客様も多いです。例えば「交感神経が活発になり眠れない」と1週間に1回いらっしゃる芸能人の方もいます。眠りというのは長さより質なので、ここで良い眠りについてまた頑張ると言って毎回おかえりになられます。

お客様からどんな声を頂いていますか

武藤氏:薬事法の関係で「治る」などと打ち出すことはできないのですが、先日もこのようなお客様がいらっしゃいました。子供の頃からクリニックに通い、使いたくない薬を塗っていたが、一向に症状が良くならなかったそうです。友人の紹介でYON-KAのフェイシャルを受けた後、「赤くない自分の顔を生まれて初めて見た!」「長年の肌悩みが解消した」と大変喜んでくれたことがありました。そういうお客様の姿を見ると私たちはすごく励みになりますね。

様々なライフステージによって肌や身体のトラブルというのは変わっていくもの。私たちは、80種類以上の製品や技術の中からその時その時で肌や体調に合ったものを提供することができます。必要としている人たちはまだまだ沢山いると思うので、体験していただけるようにして行きたいと思っています。

今後の事業の展開について教えてください

武藤氏:サロンやスパの激戦区・表参道の直営店、5つ星ホテルスパでの経験やノウハウが10年以上をかけて蓄積されて来た今、今後、ホテルスパのプロジェクトも更に積極的に行っていきたいと思っています。ただあるだけのスパではなく、ホテルの魅力につながる、そして収益を上げられるスパづくりに貢献できると確信しています。

スパは、ホテルをお客様が選ぶ一つの基準になりますし、滞在の楽しみの一つとして有力なものになると考えています。現在オリンピック・パラリンピックに向け、ありがたいことにお声がけいただいておりますが、例えばリゾートホテルでも、山のリゾートなのか、海のリゾートなのか、では求められるものも当然異なります。そこに私たちがスパのプロフェッショナルとしてカスタマイズしたプログラムを提供します。YON-KAはトリートメントや製品も繊細なカスタマイズが可能、そして、我々、ヴィセラ・ジャパンでは、提供するサービスもテーラーメイドです。

ニーズに合わせてトリートメントや製品、そしてサービスもテーラーメイドで行うというヴィセラ・ジャパン。ホテル滞在の価値を高める重要な要素となるだろう。

最後に

旅行の宿泊先としてはもちろん、「旅先で極上のリラックスを味わいたい」「都会の喧騒を離れ非日常を楽しみたい」など、ホテルを利用する方の目的は実に様々だ。こうした多様化するホテルニーズと共に同社は、製品やトリートメントをより多くの方の手に届けられるよう、今後ホテルや旅館等の宿泊事業者とタイアップも積極的に行っていくという。

富裕層を始め様々な外国人が日本を訪れる中、同社のようなサービスが広がることがホテルの付加価値となり、日本での旅を一層充実したものにしてくれるだろう。

 

■「YON-KA」公式サイトはこちら
■「レスパス ヨンカ表参道」公式サイトはこちら

(HOTELIER 編集部)


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