家具業界の常識を変え挑戦し続ける、フィールドアロー【Vol.1】代表:矢野氏インタビュー

ユーザーが宿泊施設を選ぶにあたり、立地環境や設備、サービス内容等はもちろんのこと、お部屋に置かれる家具等のインテリアも重要なポイントとなる。それはサイト上の物件掲載の見え方だけでなく、集客にも大きく影響する。
今回は宿泊施設のほか、カフェなどの飲食店等に自社で製作した家具を納めている「フィールドアロー株式会社(以下、フィールドアロー)」を訪ね、お話を伺った。

会社の所在地は豊かな自然や歴史的建造物が残る京都府宇治市。ショールームを中心に工場と倉庫が併設しており、辺りには家具の素材となる木材の薫りがほのかに漂っていた。

フィールドアローの運営する家具ショップ「finger marks」が個人事業として創業したのは2002年11月。その2年後の2004年に法人設立となる。
創業当時は中古家具ブームが起きている時で、様々な専門雑誌が発刊され、ミッドセンチュリーの家具や米軍の払い下げ家具などが流行っていたそう。そういった時代背景も後押しし、代表取締役である矢野 雅也さんは同社を立ち上げ、中古家具の販売事業をスタートしたのだという。

車の流通モデルを家具流通に取り入れる

現在フィールドアローでは、以下の4つの事業を展開している。

  • オリジナル・オーダー家具の製造・販売「finger marks」
  • 家具・建材の修理「家具クリニック」
  • 家具の下取り・再販「BATON25」
  • 家具のレンタル「share finger」

これらの事業をはじめたきっかけについて矢野さんは、

元々は廃品の家具を店裏で直して、SHOPで販売するという流れだったのですが、徐々に修理の依頼や家具の引取依頼が来るようになりましてね。その時に、耐久消費財では当たり前のアフターサービスが、現状の家具業界ではこれほどまでにサポートできていないのか、という驚きと気付きがありました。

例えば、住宅や車って高い買い物なのに、みんな住み替えたり、車を乗り換えたりしますよね。でも家具ってほとんどが使い捨てで、逆にいいものだと一生モノとして、ライフスタイルやライフステージに合わなくなっても我慢して持ち続けて、仕方なく使われていることが多いんです。
それってなんでだろうと考えた時、値の張る耐久消費財は必ず【製造・販売】、そして使い続けるための【修理】があり、出口で【中古】が流通しているというサイクルが確立されているから、買い替えが促進されるのだなと思いました。

車に例えると、今乗っている車がもうすぐ車検を迎えるとなった時、ディーラーの営業マンは、モデルチェンジしたので、今の車を下取りして乗り換えませんか?みたいな提案があると思うんです。
でも、家具は違う。
一旦販売し終えたら、それ以降はほとんどお客様との接点はなく、次の接点はその10年後や15年後になってしまう。

ですから車の流通のように、家具も転居などに伴い、修理や下取り、買い替えができればなと強く思ったのと同時に、それまでの家具メーカーからの仕入品だけで販売事業を行うだけでなく、修繕しながら長期使用に耐えうる上質な製品を製造してお渡ししていかなければならないという思いに至りました。

 

実際に矢野さん自身が修理でお客様の家に足を運んだ時に、部屋や家のサイズに合っていない家具をよく目にしているのだという。
その際にまだ使えるのにどうすればいいかと悩むお客様の声を聞き、車の流通モデルを家具に応用することで、こうしたお客様の声が少しでもなくなるのではと思ったそうだ。
お客様は、まだまだ使える家具を自分の都合で手放すことに強い罪悪感を抱いているとのこと。それが廃棄されるとなれば、その罪悪感はより一層強くなる。
全てを救うことはできなくても、なるべく再販流通してあげれば、お客様の心は幾ばくか晴れるのだそうだ。そのため下取る家具を大切に扱い、次の方にお渡しする努力が大切となる。

価格やデザインに焦点を当てられることが多い家具。しかし作り手である矢野さん自身は、製品を一番に訴求するのではなく、家具業界を取り巻く流通自体を根本から変えていきたいとのことだ。

カーシェアリングの発想から生まれた「家具シェアリング」

 

-家具のシェアリング事業は、何からヒントを得たのですか?

車にはカーシェアリングがあり、不動産は賃貸不動産があるのに、家具には賃貸という取引形態が確立されていません。
車の流通を考えた時に、所有することではなく、レンタル、シェアをすることに今のユーザーは抵抗が無くなってきています。いつまで使うか分からないもの、使用頻度の低いものであれば、買わなくても借りればよい。ひと昔前であれば考えられなかった価値観が当たり前に市民権を得ている。

ならば、「カーシェアリング」ならぬ「家具シェアリング」だ、ということで、5年程前に家具シェアリング事業を始めました。

当時はあまり理解されなかったですが、展示会に出展したり、広告などで告知を重ねて地道に事業を広げていき、おかげさまで北海道から九州まで広くお客様に御利用いただけるようになりました。
ようやく今は、どれくらいの周期で家具を入れ替えるのか、どれぐらいで修理依頼があるかなどが見えてきたところ。サービスをよりブラッシュアップしていける次の段階に入ったな、という気持ちです。

【Vol.2】代表:矢野氏インタビューに続く

■「finger marks」公式サイトはこちら

(HOTELIER編集部)


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