事業に関わる全ての人の熱い想いが、人気の宿泊施設へと変貌した「maison MILANO中津」

ファーストキャビンやナインアワーズなど、これまで数々の宿泊施設の開発を手掛けてきた株式会社ビーロット。今回取材に伺った「maison MILANO(メゾンミラノ)中津」は、同社初の民泊事業となる。

同物件の企画・設計・コンセプト等は、ビーロットはもちろん、デザイン・施工を手がける株式会社ノットコーポレーション、運営代行の株式会社メインツリージャパンの3社がそれぞれの意見・アイデアを出し合い今の形にしている。

築30年以上の「maisonMILANO中津」は、中津駅から徒歩2分という恵まれた立地。

今回は、開発を手がけたビーロット 不動産投資開発本部 主任の西田さん、運営代行を行う株式会社メインツリージャパン 代表取締役の山下さんにお話を伺った。

建物について

「maison MILANO中津」は昭和55年に建てられた地上5階建て・総戸数28室の集合住宅。このうち同社では14室を特区民泊として運営、残り14室はそのまま賃貸住宅として利用され、住居と民泊物件が混在した建物となっている。

収容人数は1名~最大6名、宿泊料金は1泊6,000円~12,000円と幅広いニーズに対応できる設定。元々あった各居室は、敷地面積25㎡以上で特区民泊の規定をクリアしており、空間を狭く感じさせる壁を取り払い、より広く快適に過ごしてもらえるようリノベーションしたという。

元々あったレンガの床はそのまま残しつつ、壁はすっきりシンプルなエントランスになっている。

“メゾンミラノ”という施設名からもわかるとおり、イタリアをイメージした空間づくりが住居のメインコンセプト。しかし驚くべきは、全14室ある民泊物件のうち、同じコンセプトの部屋が一つとして存在しないことだ。
2階はドリンク、3階がドルチェ、4階がフード、5階がファッションとフロア毎にテーマは有るものの、部屋毎に壁紙から家具、家電に至るまですべて内装が異なり、各コンセプトの良さを最大限に生かしている。

こうした特徴的な部屋作りをした理由について、メインツリージャパンの代表・山下さんは、
「私自身、元々“選ぶ”ということが好きで、洋服など好きなものを選ぶように色んな部屋を選ぶことを楽しんでほしいなという想いがありました。例えばAirbnbに掲載した時、同じコンセプトの部屋なら同じような部屋のリスティングが並んでしまいます。でもコンセプトが異なれば、お客さんは全く違う部屋だと思い部屋を選ぶ楽しみが増えますし、調べていったら実は全部同じ場所だった!ていう発見もあるじゃないですか!」と述べている。

早速、各部屋の見学へ

最初に訪れたのは、ドリンクをテーマとした2階フロアの205号室。この部屋のコンセプトは「エスプレッソ」。カフェをイメージした部屋作りで、ダークブラウンのフローリングにレンガ調の壁紙がアクセントとなり、部屋全体が落ち着いた雰囲気となっている。そんなスタイリッシュな空間は、カップル利用者に人気だそうだ。

部屋を照らすライトの一つは、コーヒーカップをモチーフにしたシェードを採用するなど。コンセプトに合わせ細部までこだわった部屋作りは必見だ。

カフェをイメージしたスタイリッシュな205号室「エスプレッソ」

続いて訪れたのは、4階フロアの401号室「ジャポネ」。扉を開けた後、一見洋風なリビングの様子に少し戸惑ったが、奥に広がる和室を目にした瞬間、その迫力ある空間に度肝を抜かれた。

和紙のランプシェードがぶら下がる和室は、い草の香りが漂う日本古来の形の畳が広がり、襖には鮮やかな梅と山水、そして鶴が大胆に描かれている。この襖はこの401号室のためにクリエーターが制作したデザインだそうだ。また城主気分を味わえる、一面金箔のような煌びやかな壁紙をしつらえた洗面ルームも驚かされた。

落ち着いた雰囲気に色鮮やかな襖が映えるな401号室「ジャポネ」

最後はファッションをテーマとした5階フロアの501号室の「デニム」。木の質感を味わえる淡いカラーのフローリングやクリームカラーの壁紙が施された室内は、ソファからベッドクロス、テーブルクロスに至るまですべてデニム生地を採用している。

その統一された色合いにチャコールグレーのカーテンがアクセントとなり、メンズライクな雰囲気を醸し出している。やはり男性の宿泊者からも人気の部屋だそうだ。

ソファからベッドクロス、カーテンまでデニム素材で統一された501号室の「デニム」

厳選したOTAサイト掲載で高い稼働率へ

同物件の内装コーディネートはすべて山下さんが手掛けている。インテリアも、様々なインテリアショップを巡り、その部屋に最適な一品を見つけ選んでくるという徹底ぶり。こうした細部までこだわった部屋作りが、足もと稼働率90%以上という驚異的な数字を作っているのだろう。

(左)株式会社ビーロット 不動産投資開発部 主任 西田久美子さん、(右)株式会社メインツリージャパン 代表取締役 山下実咲さん  互いが信頼しあうことはもちろん、物件への愛着とより良い物件をつくりたい想いが高い稼働率に繋がるのだろう。

しかし驚くべきは、現在掲載しているOTAサイトが「Airbnb」のみだということ。これについて山下さんは
「以前別の宿泊施設を運営していた時は、色んなサイトに掲載していましたが、処理が煩雑になってしまうなど管理面で問題が。。そこで掲載サイトを絞り、より質の高いリスティング作成と運営管理ができるよう舵を切った結果、稼働率がグンと上がったんです。その経験から同物件も現状はAirbnbのみに絞り管理が行き届くようにしています。」と述べている。
これにより盤石な管理体制が敷けるだけでなく、メインターゲットに向けてより有益な情報を発信することができるのだろう。

深い信頼と施設への想いが、こだわり空間を実現

これまでの運営実績について山下さんは
「やはり事業主であるビーロット・西田さんとの関係性の深さが今に活きていますね。“こんな部屋にしたい!”という私の無理なお願いも快く受け入れてくれましたし、そういった協力がなければ、ここまでこだわった部屋作りは出来ませんでした。また清掃も当社が請け負っているのですが、清掃メンバーを固定化することでクオリティを担保できますし、少しのレイアウトの違いにも気づけたりするなどの利点もあります。メゾンミラノに関わるみんなが、快適にゲストに過ごしてもらいたいという想いがあるから、高いチームワークを発揮できて良い部屋作りが出来ているのだと思います。」

自身のアイデアがカタチになるのも、西田さんの理解があってのことと語るメインツリージャパンの山下さん。

開発を手がけた西田さんは
「最初に山下さんからお部屋の提案を受けたときは、他にはない奇抜なデザインに、本当に大丈夫かな?という不安がありました。チェックをコンセプトにしている505号室の壁紙のサンプルを見たときは、かなり色味が強く、趣味が偏るだろうと思いましたしね。でも実際にお部屋が出来上がって見てみたら、とても自然でかわいらしいテイストに仕上がっていて、山下さんのセンスの良さを実感しましたね。やっぱり山下さんにお任せして良かったと改めて思いました。」

山下さんのセンスを信じ、とても素敵な部屋ができあがりましたと語るビーロットの西田さん。

と述べている。両者の信頼関係、そしてmaison MILANOに対する愛情の深さが、最後までこだわり抜いた空間を作っているのだろう。

新たな宿泊空間も絶賛リノベーション中

個性が光る空間デザインはもちろん、隅々まで行き届いた清掃クオリティから、高い顧客満足度を得られている「maison MILANO中津」。次回は違う部屋に泊まってみたい!とリピーターも絶えないようだ。

現在さらに2部屋をリノベーションしており、新しいコンセプトの空間を楽しめる日も近いという。これからの両者の活躍に期待したい。

(HOTELIER 編集部)


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