“地域との深いつながりを大切にする” 野村不動産、新たな直営ホテル展開へ「NOHGA HOTEL」
野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮嶋 誠一氏)と 野村不動産ホテルズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:塚崎 敏英氏)は、10月24日、ホテル事業参入に向け「NOHGA HOTEL(ノーガホテル)」を立ち上げたことを発表した。第一号店は上野で開業。来年の秋を予定している。
上野は東京の台東区に位置するが、去年訪れた訪日外国人2,200万人のうち3分の1が台東区に足を運んでいる。また、国内外合わせて年間5,000万人もの観光客が台東区に訪れるため、かなりの需要が望めることを見込み今回の事業参入へ踏み入った。
また、観光客の滞在の仕方が、「モノ」から「コト」へとシフトしていることから、滞在中も何かの体験をしたり人と交流したりするコトに焦点が向けられている。そこで、「NOHGA HOTEL 上野(UENO)」では、台東区の街と深く繋がれることを目的とし、地域のクリエイターさんや店舗さんとコラボレーションした取り組みを行っていく。
「NOHGA HOTEL 上野」について
ブランド名は野村(NOMURA)と幸運を意味する「冥加(MYOHGA)」を合わせたもの。魅力的な街づくりの起点となるようなホテルを開発し、「人と人」「街と街」をつなぐコミュニティづくりを意識して命名された。
これまで野村グループは、外部の会社に建物を貸す賃貸方式でのホテル事業を手がけていたが、今回は、従来のホテル事業とは違い、自らホテル運営を手がけお客様に直接サービス提供をする新たな取り組みを行う。
ホテルという建物の建築に要する期間は2年〜3年だが、ホテルが運営される期間は30年〜50年と長きに渡るので、建物開発後も継続して施設運営が行えるよう、未来に向かって賑わいのある街づくりを含めて相乗的な発展を狙うという。
今後の展開エリアは、東名阪を中心にそれ以外の地方都市でも検討をする。「NOHGA HOTEL 上野(UENO)」は、ビジネスホテルとは異なり上質でアッパーホテルを目指す。価格帯は1名2〜3万円台を予定。ダブル・ツインの部屋の広さは18平米〜35平米で、60平米を超えるスイートの用意もある。ロビーにはラウンジやテラスを設け、シンプルで洗練された空間ながらも、家にいるような快適な居心地の良いくつろぎを提供する。
地域との深いつながりを大切にする
「NOHGA HOTEL 上野(UENO)」は、地域との深いつながりを大切にすることを念頭に、台東区で活躍している職人さんとコラボレーションをする。その第一段として、江戸切子製造の「木本硝子」、家紋デザインの「京源」、インテリア雑貨店経営の「SyuRo」さんに依頼。これらは、ホテルオリジナルの食器や備品に用いるという。
ゲストに使用してもらうことでいいなと思ってもらったお客様には「近くで作っているので、遊びに行ってみてはどうですか?」と提案し、地域の人と外国人観光客の橋渡しをしたいと考えているという。他にも地域の職人さんとイベントやワークショップを行い、「この街が好きだ」と思ってもらえるような取り組みも積極的に行う。
今後の「NOHGA HOTEL」の動き
街づくり全体のポテンシャル、ステータス性を高めていくために国内外の富裕層に認知されるよう、グローバルブランドのホテル会社との連携による運営も考えているという。
記者会見で野村不動産ホテルズの代表 塚崎 敏英氏は、「NOHGA HOTELを起点として、ガイドブックに載っていない、その地域や文化を知ってもらい、宿泊ゲストが地域とつながり深く知ってもらうことで、全てのお客様に感動を与えたい」と話した。
また、インバウンド(訪日外国人)の拡大も含め、宿泊に特化することで収益性を高め、同社の主力事業であるマンションやオフィスに続く事業に成長させたい考えだ。
(HOTELIER編集部)