北陸新幹線開業2年、開業効果続く。旅館は全国2位の稼働率、新ホテルの建設続く

2015年3月14日に北陸新幹線長野-金沢間が延伸開業して2年が経ったが、乗客数、金沢市内の宿泊施設の稼働率ともに引き続き好調で、新しいホテルの建設も多く予定されている。

開業2年目となる2016年3月14日~17年3月13日の乗客数は、前年同期比7%減の858万4,000人。1年目こそ下回ったものの、開業前の在来線特急との比較では173%増と新幹線効果が続いている。

宿泊施設も予約がしづらい状況が続いており、観光庁の統計では16年の旅館の稼働率は全国2位の54%、シティーホテルは同10位の80%と好調。宿泊施設不足が叫ばれたこともあり、新しいホテルの建設も多く予定されている。金沢市は、金沢駅に隣接する私有地を売却し、米ハイアット・ホテルズの高級ブランド「ハイアットセントリック」を誘致。富裕層をターゲットに、20年春オープン予定だ。また、三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菰田 正信氏)が近江町市場近くへのホテル進出を決めているほか、株式会社サンケイビル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:飯島 一暢氏)も金沢の台所といわれている、近江町市場の徒歩圏内にホテル開発を行い、2018年開業を予定している。

宿泊需要は旅館やホテルのみにとどまらない。17年2月末の市内の「ゲストハウス」など簡易宿泊施設の数は2年前の約3倍以上に増加。今年度は民泊の導入是非についての議論が市ではじまるという。市中心部で宿泊施設の建設が相次いで計画されており、すべてが完成すると15年時点に比べて客室数が2割以上増えるという見方もある。そうなると、人手不足が懸念されるだろう。

石川県と市は、1人当たりの消費額が大きい欧米やオーストラリアなどからの観光客を重視している。中でも、16年に兼六園を訪れた人が前年比1.7倍と、飛躍的に伸びたイタリアからの誘客に力を入れるという。フランスとは東京五輪の水泳チームの合宿誘致が決まっており、消防・救急隊員のフランス語研修などソフト面でも受け入れ体制を強化。市幹部は「キャパシティーが小さい町なので、量より質の誘客が需要だ」と話している。

観光地視点からの見解だと、北陸新幹線と特急を活用して、東京から北陸、関西へと回るルートが訪日外国人客に人気で、JRの外国人向け周遊パス「北陸アーチパス」は昨年4月に発売されて以降、12月までに約1万450枚の販売を記録している。「レール・アンド・クルーズ」をスローガンに金沢港発着のクルーズ船への誘客が進むなど、新幹線と他の移動手段を組み合わせた観光誘致も活発だ。

今後も延伸が計画されている北陸新幹線。金沢-敦賀(福井県)間は2020年度末に開業、敦賀から京都間はJR松井山手駅(京都府)にも新駅を建設する「南回り」案の採用がほぼ確定している。引き続き大きな注目を集めそうだ。

【参照】
サンケイビル、金沢でホテル開発 北陸で初
京都-新大阪、南回り採用へ=北陸新幹線延伸ルート-与党検討委
観光、ビジネスで開業効果続く=北陸新幹線2年-石川県・金沢市

(HOTELIER 編集部)


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