【お薦めホテル特集】首都圏で楽しむ夏のゆったりステイVol.1『星のや東京』
GO TO キャンペーンが打ち出されつつも、なかなか地方に足が延ばしづらい昨今。
首都圏で三密を避け、ゆっくり、のんびり旅やリゾート気分を味わいたいという人々の熱い思いを叶えるユニークでダイナミックな珠玉の宿をご紹介しよう。
星のや東京(東京・大手町)
世界有数の旅行雑誌でNo.1ホテルにも選出されたユニークな日本の宿――。
日本有数の金融街の真っただ中。徹底した3密回避空間と静寂の中で、温泉宿の醍醐味を堪能する。
2020年7月、米国の権威ある旅行専門誌 「トラベル・アンド・レジャー(Travel+Leisure)」 の「World’s Best Awards 2020 Top Hotels in Tokyo」 で栄えある第1位に初選出された 「星のや東京」。
読者評価に基づくランキングで、施設や立地、サービス、食事などが総合的に評価されての文句なしの受賞だ。
と、言っても2017年以来、名だたる海外のラグジュアリー・ライフスタイル誌において、軒並み日本のトップホテルとして高い評価を受け続けている 「星のや東京」。
昨年のトランプ大統領の来日時には、娘のイヴァンカ女史が、オリジナリティあふれる食を楽しんだことでも多いに話題をさらった。
ところが、今に至るまで、「星のや東京」 は、むしろ日本人の私たちにとって、ある種の“神秘的な宿” であった。
というのも、宿泊滞在者のみにしか門戸を開いておらず、その重厚感あふれる壮麗なエントランスがオープンにされることはなかったからだ。
都内在住者や丸の内・大手町界隈のビジネスマンでさえも、最上階にある温泉やダイニング利用用途での立ち寄りは、一度も実現しなかった。
開業以来、つねにこの壮麗な宿は、神秘のヴェールに包まれていたのだ。
しかし、このコロナ禍において、マイクロツーリズムを提唱し、地元の観光の魅力再発見を提唱している星野リゾート。東京もまた例外ではない。
現在、この世界に冠たるユニークな温泉旅館での滞在のひとときを、通常では考えられない、かなりのリーズナブルな価格で特別に提案している。中でも、興味深いプラン例をご紹介しよう。
一フロア貸し切りで、滞在内容もゲストのニーズに合わせて自由自在というダイナミックな提案だ。
「星のや東京」 の各フロアには、6室の客室の他に、各階の宿泊者専用の共有スペースとして 「お茶の間ラウンジ」 というものがあり、フロア全体で約 380 ㎡の大空間を、最大 13 名でゆったり使用できる。
お茶の間ラウンジは、客室から畳続きで自由に行き来できる居間のような空間。
通常は、季節に合った茶菓子などが振る舞われる縁側的なスペースだ。
海外から訪れるビジネスマンたちにもこのスペースが大人気。
朝食も、おにぎりと味噌汁をこの場所でとって早々と出勤してゆく人たちも多いという。
6室の客室と、この「お茶の間ラウンジ」を家族や気の置けない友人たちと貸しきってのステイケーションは、この時期だからこそ実現する新しいコミュニケーションのかたちだ。
この宿を語るのに、もう一つ忘れてならないのが食だ。
2004年 ボキューズ・ドール国際料理コンクール日本大会で史上最年少優勝。
13年の同フランス大会本選で、日本人初の世界第3位銅メダル獲得した浜田統之料理長自らが腕をふるうダイニングでは、プライベートな空間で新しいフレンチのコース料理 「Nippon キュイジーヌ~発酵~」 をゆっくりと味わえる。
フレンチながら、日本独特の技法である発酵を追求した“食の求道者” 浜田ならではの独自の世界を五感で味わいたい。
「日本の豊かな海、清らかな川、滋味深い大地を感じさせる厳選した食材の息吹を、そして、その食材に関わる人々の想いを滞在するお客様へ伝えたい」という浜田氏。
もちろん、メインダイニングへ足を運ぶのは…というゲストの要望に応え、客室内でのディナーは、新たな発想でコース料理を御膳に仕立てた「星のや東京御膳」も用意されており、至れり尽くせりのおもてなしが展開される。
もはや、コロナ禍で、アップデートも儘ならないが、今年の冬までは世界中のジェットセッターたちのインスタを見れば、あらゆるところで色彩の魔術師 “星のやトーキョーのハマダ” の美しい料理が画面を賑わせていた。
これからは、ぜひ私たち日本人の手で、その魅力を世界に発信していきたいものだ。
そして、また新たに、世界中の食通を感動させる日が再び戻ってくることを心待ちにしたい。
勝手知ったる東京の中心で、日常を離れた和の安らぎの空間に出合う――。
折り目正しい日本の宿の美しさと進化した粋な江戸の姿を描きだす「星のや東京」。
今こそ、お江戸東京に滞在する醍醐味を味わってみてはいかがだろうか。
星のや東京 東京都千代田区大手町1-9-1 アクセス:東京駅丸の内北口 徒歩10分/東京メトロ大手町駅 A1・C2C出口徒歩2分 JTBから予約する>>
取材・文:朝岡久美子