国内初のシェアリングスペース向け保証サービス「シェアリング保証」スペースエージェントとリースが共同開発
株式会社スペースエージェントとリース株式会社は2020年1月22日 、民泊やレンタルスペース等シェアリング系物件を総合的にカバーする国内初のサービス『シェアリング保証』を共同開発したことを発表した。
スペースエージェントは「空き家に新たな出会いを」をミッションに掲げ、不動産、特に民泊領域を中心としたインターネット事業を行っている。主力事業の不動産ポータルサイト『民泊物件.com』は、民泊事業者に対して民泊利用のための許可を得ている物件情報のみを提供する不動産ポータルサイトだ。2016年5月のサービス開始より成長を続け、38,000名超の会員・1,500社以上の加盟不動産会社に利用されている。2020年1月時点で、民泊物件を紹介するサイトとしては会員数・加盟不動産会社数・物件数・成約数において国内ナンバーワンのサイトだ。
リースは、信用経済社会(評価経済社会)における与信プラットフォームを目指すCredit Techのスタートアップとして、不動産×金融を切り口とした与信サービス『smeta(スメタ)』の開発・運営や、AIを用いた与信評価エンジンを企画・開発している。個人の信用価値を最大化というミッションの達成に向けて、個人の信用情報の“見える化”、自身の信用スコア(与信力)を自由に利活用できる与信プラットフォームの開発を通じて、不動産・金融市場および消費者信用市場の成長と発展に寄与している。
この度発表した『シェアリング保証』共同開発の背景にあったのは、シェアリングスペースの需要拡大に対する家賃保証サービスの不足だ。
民泊市場と並び、シェアリングスペース市場は順調に拡大を続けており、利用者の需要は堅調に推移している。こうした背景から、貸したい物件と借りたい投資家のマッチングが完了しているにも関わらず、新興市場である民泊やレンタルスペースなどのシェアリングスペース物件に総合的に対応できる家賃保証商品は開発が進んでいないことから、成約まで至らず多くの機会損失が発生している。そこで両社は、民泊・簡易宿泊所・ホテル・レンタルスペース・シェアハウス・マンスリーマンションなど、幅広いシェアリングスペース物件を総合的にカバーする保証サービスの共同開発に至った。
2020年4月より施行される法改正の影響を見据え、いっそうの変化が予測されている。そうした中で、現状の民泊事業領域においては、契約者の滞納リスクおよび事業運営による収益性の算定に難航し、多くの事業者が与信審査を通過できない状況にある。また、仲介を行う不動産会社にとっては、成約直前まで進めてきた仲介案件の機会を失うことになりかねない。『シェアリング保証』では、リース独自の与信査定手法および運用実績を活用することで、審査業務の適正化および効率化を推進し、民泊投資家の事業機会の創出ならびに不動産会社各社の収益最大化へより一層の貢献が可能となる。
共同開発の背景と今後への期待として、スペースエージェントの代表取締役社長・CEOである紙中良太氏は次のように述べた。
「シェアリングエコノミーの可能性が叫ばれてから久しいですが、こと不動産の領域で見たときには、例えば民泊として運営できる物件の供給数が少ないことや運営開始までのハードルが多いことなど、まだまだ改善していく余地が残されています。スペースエージェントでは、掲げている『空き家に新たな出会いを』という理念のもとに、これまでの物件流通領域のみならず、その先の運営領域でも課題解決にも貢献していきたいと考えています。今回のシェアリング保証がその皮切りとして、多くの投資機会とステークホルダーの収益につながることを期待しています。」
また、リースの代表取締役である中道康徳氏は次のように述べた。
「スペースエージェントは、民泊やシェアハウス運用の領域で数多くの実績を積まれている企業です。顕在化している空き家問題や遊休資産の活用への取り組みに共感し、共同開発にいたりました。今回の共同開発により、需要拡大が続く民泊やシェアハウス等を必要されるお客様のご要望に応えできるうえ、リースが支援する保証により、これまで二の足を踏んでいた物件所有者が安心して民泊運営等の依頼を促進できると期待しており、今後もスペースエージェントとは空き家を通じた資産活用に貢献して参りたいと考えております。」
一般社団法人シェアリングエコノミー協会の調査によると、2018年度の日本のシェアリングエコノミー市場規模は1兆8,874億円となった。このうち「スペース(民泊・民泊以外)」は5,039億円で、現状のペースで成長すると2020年には6,326億円、2025年には1兆922億円、2030年度には1兆8,047億円規模になると予測している。
また、「民泊サービス提供を止めた人の割合とその理由」についても調査している。2017年度に民泊サービスを提供していた人のうち、2018年度の民泊新法施行以降にサービス提供を止めた人は50%だった。提供を止めた理由は「民泊新法の手続が面倒」(60.5%)、「民泊新法の条例で民泊が出来なくなった」(27.9%)に続いて、「期待した収入が得られなかった」(23.3%)となった。手続きの難しさに加え、そもそも提供できなくなった人も多いようだが、収入面にも不安があることがうかがえる。
スペースエージェントとリースが始める『シェアリング保証』は、民泊のみならず幅広い物件に対応し、審査通過率が高く滞納家賃や原状回復など複数の保証をもつ。事業者のシェアリングスペース市場への参入と、さらなる市場規模拡大に貢献するだろう。
■「シェアリング保証」公式サイトはこちら。
【参照記事】
・スペースエージェントとリース、国内初の民泊向け家賃債務保証サービス「シェアリング保証」を共同開発
・シェアリングエコノミー経済規模は過去最高 1兆8,000億円超え、30年には11兆円と予測生活の充実度や幸福度向上にも寄与
【参照サイト】
一般社団法人シェアリングエコノミー協会|シェアリングエコノミー市場調査リリースのお知らせ
(HOTELIER 編集部)