Deaps Technologies、スマホに保存された写真を分析し観光情報を提案する世界初の機能を開発

Deaps Technologies株式会社が、エッジAI技術を活用し、ユーザーのスマートフォンに保存された写真をデバイス上で分析する世界初のシステム開発に成功した。このシステムを、同社のユーザー投稿型観光SNSアプリ『Deaps(ディープス)』で2018年11月2日より提供を開始する。

同社はニーズの多様化・複雑化が進む観光産業において、人と場所を繋ぐAIテクノロジーをコアに、観光産業に新しい価値を実装することをミッションとしている。『Deaps』は、画像や動画を位置情報付きで記録&シェアできるアプリだ。持続的な観光産業の推進を目指し、人と場所に新しい繋がり(=発見)を提供するサービスとして開発・提供している。

『Deaps』はこれまで、アプリ内のユーザー投稿情報や行動履歴から興味関心に沿った旅行・おでかけ情報を提案してきた。この機能に加え、このたびユーザーのスマートフォンに保存された写真の分析をデバイス上で完結させ、おすすめ結果に反映させるシステムを開発した。

内閣府が発表した「Society 5.0」では、フィジカル空間とサイバー空間の高度な融合により、一人一人のニーズに合わせた情報提供が求められている。従来、個人最適化はプライバシー情報の提供とトレードオフの関係にあり、個人情報を預かる企業側の責任は重大でありながら、個人情報漏えいが度々問題になってきた。また従来型クラウドAIでは、サーバーにデータのアップロードやログインが必要であったり、パーソナライズに時間がかかるという点があった。

新システムにより、観光地や外食など多くの写真が保管されているスマートフォン内に実装したAIで、所有者の興味関心を数値化することが可能となった。写真データを外部サーバーに伝送することなく「山に頻繁に行く」「家族で出かけることが多い」「蕎麦好き」など個人の興味関心を分析し、その属性に応じてレコメンドを最適化する。興味関心の事前入力やアプリ内での行動履歴を元にした学習が不要で、アプリ利用開始当初から高度にパーソナライズされた情報提案を反映できるようになった。さらに、アプリ上で個人履歴をトラッキングしないため、ユーザーはログイン不要で個人情報を提供することなくサービスを利用できる。

同社は今後、観光における個人の興味関心データを活用した地方創生事業を展開する方針だ。また、2018年10月に『Deaps』に観光地やイベント事業者向けのスタンプラリー機能とクーポン機能を導入したが、AIや音声ガイドも順次導入予定である。観光のデジタルインテグレーションを進め、利用者の体験価値を拡大し、人と地域をつなげていくという。

MMD研究所が15~69歳の男女2,000人を対象に実施したアンケートによると、87.7%の人が写真撮影に最も使うのは「スマートフォンのカメラ」だと回答した。また、よく撮影するシーンは「友達・家族・恋人」の47・3%に続いて、「海や山などの自然」が36.4%、「建物や街並み」が29.2%と、風景に関するものが多かった。

旅先などの思い出として残したい景色を撮影している人が多いということは、幅広い年代の人がどこに訪れているかというデータを収集することもでき、新しい観光スポットの創出につながるのではないだろうか。

一方で、“自分のスマホの写真が分析される”という点でユーザーが不安に感じるのは、自分のデータが悪用されるのではないかというプライバシー面だ。しかし、新システムの“写真データを外部サーバーに伝送することなく興味関心を分析する”という点は、プライバシーの保護が可能である。加えて、パーソナライズ化が速いという点も「今すぐおすすめスポットが知りたい」や「行ったことのない観光地を知りたい」ユーザーにとってメリットとなるだろう。

■「Deaps」公式サイトはこちら

【参照サイト】
世界初スマホに保存された写真から興味関心を分析し、旅行・おでかけ先をおすすめするシステムを開発

(HOTELIER 編集部)


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