YKK AP、断熱性に優れたホテル専用商品「HOTEL MADO」を2018年12月に発売
YKK AP株式会社が、インバウンドの増加により伸長するホテル市場向けに、高断熱樹脂窓「HOTEL MADO(ホテル マド)」を2018年12月28日に発売すると発表した。標準販売価格は148,500円で、2019年度の売上目標金額は4.4億円だという。
日本政府は「観光先進国」に向けたさまざまな取り組みを進めており、訪日外国人旅行者数を2020年度に4,000万人、2030年度に6,000万人へと増加させる目標を掲げている。不足する客室数を補うためホテルの開業拡大が見込まれる一方で、限られた客室空間のために窓の近くにベッドを配置することも多い。とくに熱の流出入が大きい窓の断熱性能は、ホテルの客室環境や快適性を大きく左右する。
「HOTEL MADO」は断熱性・省エネ性・快適性に優れた、ホテル専用商品として開発された高断熱樹脂窓だ。樹脂フレームとLow-E複層ガラスの組み合わせにより、従来のホテルの窓で主流だった「アルミフレーム+複層ガラス窓」に比べ、断熱性能が約3倍に向上するという。
これにより、窓辺の冷やされた空気がベッドや足元に広がる“コールドドラフト”を抑制でき、宿泊客に暖かくくつろげる空間を提供できる。ホテル事業者にとっては、空調効率アップによる冷暖房費用の削減も期待できる。樹脂フレームにより結露の発生も抑制するため、眺望や清潔感の確保、清掃性の向上にもつながるという。
“内開き窓”と“内倒し・内開き窓”の2種類あり、全開時は室内側に90度まで開くため、室外側へ身を乗り出さずにガラス外側の清掃が可能だ。清掃時の作業性にも配慮し、コンシールストッパーにより80度開いた状態で保てる。また、内開き窓には「換気付非常用進入口仕様」を設定しており、法規上、非常用進入口が必要な開口部でも室内からの部分換気が可能だ。
同社は、稼働式のボトムエアタイトを採用し扉下部の隙間からの音漏れ・光漏れを防ぐ「HOTEL DOOR(ホテル ドア)」を2018年8月に発売した。客室側は廊下からの音を遮音しプライバシーを確保でき、廊下側は客室からの音を遮音できるため、双方を静かで快適な環境を実現する。また、段差のないフラットな下枠により安全な出入りもできる。同社は「HOTEL MADO」と合わせてトータルに提案し、快適な客室空間の提供と観光先進国の推進に寄与していく考えだ。
旅行や出張でホテルに泊まる際は、翌日に疲れを残さないためにもぐっすり眠りたいもの。そんな時、窓から漏れる冷たい空気が伝わると寝つきが悪くなる。さらに、他の宿泊客の声が聞こえてくると眠れないばかりでなく、ホテル自体に対する不満も募ってしまう。窓や扉といった当たり前にあるものの機能を高めることは、ホテルの満足度向上につながるだろう。
また、ホテル業界の人手不足は深刻で、一人の従業員が何部屋もの客室清掃を行っているのが現実だ。「HOTEL MADO」のように清掃のしやすさに配慮した商品は、業務効率化にも期待できそうだ。
【参照記事】
【ニュース】 YKK AP、ホテル向け高断熱樹脂窓「HOTEL MADO」を12月28日に発売、断熱性能が約3倍に向上 東京都千代田区
【参照サイト】
ホテル客室の寒さを防ぎ、快適空間で“おもてなし”ホテル専用高断熱樹脂窓 「HOTEL MADO」 発売~伸長するホテル市場へ「HOTEL DOOR」とトータルに提案~
(HOTELIER 編集部)