プリンスホテル、英ロンドンの5つ星高級ホテルを買収、「ザ・プリンス」ブランドが海外で来夏OPEN
西武ホールディングス(HD)傘下であるプリンスホテルは2018年11月13日、海外ホテルを運営するオーストラリア子会社を通じ、英ロンドンの5つ星高級ホテル「The Arch London(ジ・アーチ ロンドン)」の運営会社を買収したと発表した。改修費用を含めたホテルの買収総額は約87億円。当面はこのまま営業を続け内部改装をした後、2019年夏以降にロンドンでプリンスの名を冠した海外向けブランド第1号店「The Prince AKATOKI(ザ・プリンス・アカトキ)」として開業する。
ジ・アーチ・ロンドンは18世紀後半に建てられた「タウンハウス」と呼ばれる建築物などを改装し、2010年に開業。高級ブティックやレストランが建ち並ぶ、ハイドパークにほど近いロンドン中心部のメアリルボーン地区という好立地にある。
客室数は82室で、平均客室単価は現状より引き上げて4万5000円を目指す。プリンスホテルの中核を担う「ザ・プリンス」ブランドの一つとして日本人スタッフがサービスの指導を行い、日本風の内装の取り入れを検討。英国を皮切りに同ブランドを世界で増やす方針だ。
「AKATOKI」とは、“夜明け前”や“夜が明ける”といった意味合いを持つ「暁(あかつき)」の古い表現である「明時(あかとき)」を合わせたもの。日本国内におけるプリンスホテルのブランド価値を海外でも最大限に活用することで、プリンスホテルの知名度向上を図っていく狙いだ。海外でも「ザ・プリンス」のブランドを広め、インバウンド(訪日客)に国内でのプリンスホテルへの宿泊を誘客し、また日本人が海外旅行をした際にも、選んでもらいやすくする。
プリンスホテルは17年に豪ステイウェルホスピタリティーグループからホテル事業を買収し、海外でのホテルチェーン事業の本格展開を始めた。現在は「Policy」「Park Regis」といった4ブランドを含め世界で32店舗展開している。「The Prince AKATOKI」の創設で5ブランドになったことでグローバル化を加速させ、27年までにステイウェル傘下のホテルを100施設まで増やす計画だ。
アメリカや中国など、すでに「プリンス」のブランドを掲げるホテルは少しずつ世界に進出している。今回の「The Prince AKATOKI」のオープンにより、より一層日本のホテルの知名度を広げ、世界的ブランドへと成長していくことを期待したい。
【参照記事】
・プリンスホテル、英ホテル買収 「ザ・プリンス」ブランド海外展開へ
・プリンスホテル、英高級ホテルを87億円で買収
・プリンスホテル、英ロンドン5つ星ホテル買収
(HOTELIER 編集部)