全国のホテル・旅館の倒産、10月は低水準で推移。倒産6件・負債総額18億5200万円
日本国内最大手の信用調査会社である帝国データバンクによると、2018年10月のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)件数は6件、負債総額は18億5200万円だった。倒産件数が1桁台なのは3ヶ月連続であり、負債総額は10ヶ月連続の100億円未満と低水準で推移している。
倒産件数6件は前月と同数であり、前年の2017年10月と比べ2件減少(25.0%減)している。総額18億5200万円は前月と比べ34億8600万円減少(65.3%減)、前年比15億3500万円減少(45.3%減)。また、今年1月からの累計は、件数が前年同期比より4件減(5.9%減)の64件。負債総額も前年同期比4億9100万円減(1.5%減)の328億円となった。
2018年は新潟県妙高市・赤倉温泉の旅館「大丸」や石川県小松市・粟津温泉の老舗旅館「かめたに」、2018年夏に開業予定だった福島県双葉郡のビジネスホテル「ファーストスプリング」、11月に倒産したばかりの北海道・稚内市の「稚内サンホテル」など、中規模の宿泊事業者の倒産が目立つ。販売不振や累積赤字の影響などが主な要因だが、宿泊ニーズの多様化による過大な設備投資の結果、倒産に追い込まれた企業も少なくない。
6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるなど、今年は宿泊業界に大きな変化が生まれた年。倒産する企業がある一方、ホテルや旅館だけでなく、民泊、バケーションレンタル、グランピングなど新規開業の宿泊施設は年々増え続けている。訪日外国人数の増加と共に宿泊スタイルも多様化しているため、安定した集客を得るためには独自のサービスを提供していく必要があるだろう。
【参考記事】
6件、負債18億5200万円 ホテル・旅館10月の倒産、低水準で推移
(HOTELIER編集部)