「triplaチャットボット」で訪日外国人の鉄道利用をサポート、トリプラとJR東日本が共同実証実験を実施

旅行業界向けIT・AIサービスを展開するtripla株式会社(以下:トリプラ)は2019年9月27日、鉄道を利用する訪日外国人の利便性を向上させるべく、東日本旅客鉄道株式会社(以下:JR東日本)と共同実証実験を行うと発表した。

トリプラはJR東日本スタートアップ株式会社と2019年6月に資本業務提携を結び、訪日外国人観光客に快適なサービスを提供する実証実験を行うとともに、2018年12月から2019年3月まで実施されたJR東日本の「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験に参画してきた。

トリプラはこれらの実証実験の結果を活かし、2019年10月1日から2019年12月31日までJR東日本と共同で新たに実証実験を行い、JR東日本が運営する特急「成田エクスプレス」と、東京モノレール株式会社が運営する「東京モノレール」の利用者にトリプラの多言語AIサービス『triplaチャットボット』を提供する。

『triplaチャットボット』は、宿泊施設の公式ホームページ上でゲストからの問い合わせへの対応と同時に宿泊予約の完了が可能となるサービスだ。2017年のリリース以降、すでに国内500以上の施設に導入されている。従来、施設スタッフが電話やメールで対応していたゲストからの問い合わせに代理で対応することで、大幅な業務削減と顧客満足度の向上に貢献している。加えて、有人オペレーターによるサポート体制も高い評価を得ているという。

また「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験は、山手線内の複数のターミナル駅を中心に、駅および商業施設(エキナカおよびホテル等)に案内ロボットやデジタルサイネージの設置、案内チャットボットの展開を行い、駅構内や駅周辺の案内、お土産案内等を行うものだ。それぞれの箇所で利用者から様々な質問をもらい、AIが適切な回答をする。さらに質問内容を基にAIが学習することで回答の精度を向上させ、よりスマートな案内AIシステムの構築を目指している。

今回トリプラとJR東日本が行う共同実証実験は、「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験の取り組みの一環である。乗車中の利用者に車内で降車駅に関する「駅構内情報」や「乗換情報」等に関する多言語案内AIチャットボットサービスを利用してもらうことで、車内においてどのような情報を必要としているのかをデータ化するとともに、得られた情報により降車後スムーズに移動してもらえるかを検証する。共同実証実験の概要は以下の通りだ。

【実施期間】
2019年10月1日~2019年12月31日
【実施場所】
1.成田エクスプレス全車両内(成田空港駅~池袋駅間および横浜駅間)およびホーム・コンコース等駅構内
成田エクスプレスの停車駅(品川駅・新宿駅・池袋駅・横浜駅)では、ホーム・コンコース等駅構内でも利用可能
2.東京モノレール全車両内(羽田空港第2ビル駅~浜松町駅間)
【利用方法】
1.成田エクスプレスではJR-EAST FREE Wi-Fiからインターネットに接続すると画面にチャットボットアイコンが表示される
2.東京モノレールでは、同社の公式ホームページにチャットボットアイコンを表示する
【対応言語】
日本語・英語・韓国語・中国簡素体・中国繁素体の5ヵ国語

訪日外国人観光客数は年々増加傾向にあり、2020年には4,000万人に達すると見込まれ、鉄道業界では看板やポスターの多言語表記対応が進められている。一方で、外国人観光客が訪日中に困ることに「コミュニケーション」「目的地までの公共交通の経路情報の入手」「公共交通の利用方法(乗り方)、利用料金」などが挙げられ、公共交通機関を利用する難易度は高いと言える。さらに案内を担当する駅係員の人員数には限界があり、人的リソースの補充以外の方法で、鉄道を利用する外国人観光客の利便性を向上させる必要がある。

今回の共同実証実験の期間中は、国際的スポーツ大会が日本国内にて開催中であり、訪日外国人観光客数の増加が予想される。「成田エクスプレス」および「東京モノレール」を利用する外国人観光客は、空港特急車内で初となる『triplaチャットボット』のサービスを通じて、乗り換え方法・駅構内図・宿泊施設までの道のりを多言語で把握することができる。

トリプラは『triplaチャットボット』を用いて「成田エクスプレス」および「東京モノレール」を利用する外国人観光客の快適な旅をサポートし、顧客満足度の向上に貢献し、JR東日本が抱える課題解決をサポートする考えだ。同社は「今後も、宿泊業界を中心に成長した『triplaチャットボット』を観光客の移動に欠かせない鉄道業界へ展開することで、業界全体の業務効率化と顧客満足度向上への貢献に努めるとともに、課題解決に貢献するマーケットイン型のIT・AIサービスの導入を進め、旅行業界に新たな価値を創造します」と述べている。

JR東日本によると、2018年12月7日~2019年3月15日に行われた「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験(フェーズ1)の成果として「新たなFAQ蓄積による回答率向上」や「各設置箇所における質問傾向の把握」などが得られたという。一方で、以下のような課題があることも分かった。

課題1:AI(人工知能)によるお客さま案内実証実験を行っていることの認知不足
課題2:周囲の目が気になり、話し掛けるのが恥ずかしい
課題3:多言語案内対応が十分ではなかった
課題4:「乗換案内」「駅周辺案内」や「飲食店情報」など個別具体的な質問について対応が十分ではなかった

トリプラとJR東日本の共同実証実験は、主に車両内でチャットボットを利用してもらう実験となる。駅構内に比べると駅係員が少ないことに加え、外国人観光客は困りごとがあっても日本人を頼るのはハードルが高いだろう。そんな場面でも、5ヵ国語に対応する『triplaチャットボット』ならその場で困りごとを解決できそうだ。今回の実験で得られたデータが、外国人観光客にとってスムーズな鉄道利用を可能にするサービスの提供に繋がることを期待したい。

■「triplaチャットボット」詳細はこちら

【参照記事】
訪日外国人の鉄道の悩みを解決!!~成田エクスプレスと東京モノレールの全車両に「triplaチャットボット」を導入~
【参照サイト】
・JR東日本|「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験開始について
・JR東日本|列車内での多言語案内AIチャットボット実証実験について
・JR東日本|「案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)」共同実証実験について

(HOTELIER 編集部)


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