ハウステンボス、変なホテルがロボット卒業!?新たなテクノロジーを取り込み、顧客満足度の向上へ
「世界初のロボットホテル」として2015年7月、長崎県佐世保市のハウステンボスに誕生した「変なホテル」に、脱ロボットの動きが進んでいる。
“変わり続けることを約束する”という意味をブランド名に込めた「変なホテル」。「人件費や光熱費で生産性ナンバーワンになる」という考えのもと生産性を追求し、ピーク時は27種類のロボットを活用し注目を集めたが、現在は15種類まで減少。エンターテインメント性を持つものより実務的なものが残った。
また、テーマパークに隣接して72室で1期棟がオープンし、16年3月に2期棟、18年12月には3期棟が完成したが、3期棟で採用したのはロボット掃除機のみだった。
ロボットが減った理由の一つとして挙げっているのが、時代のよる進化のスピードである。4年前に導入したものは、既に時代にそぐわず宿泊者を満足させられない状況が起きている状況だ。例えば、照明のスイッチなどの機能を持つ客室の音声認識ロボットの技術は、身近なスマートフォンの方が優れることもある。また「水に弱い」というロボットの弱点も、天候や場所によって使用に制限が生じる原因である。
利用客へのアンケート結果から、同ホテルの大江岳世志総支配人は「お客さまの期待値が高いぶん、残念に思われる」と見ている。
宿泊者はロボットの活躍を予想して来るが、運営側はロボットを必須としていない。そのギャップを乗り越えようと、ロボットに次ぐ目玉として同社が目標を掲げるのが「完全キャッシュレス」。隣接するテーマパークを含む広範囲で実現し、新たな驚きと価値を提供するという。
近年は、NECによる「IoTおもてなしサービス」の実証や、中国アリババグループの未来型ホテル「FlyZoo Hotel」のオープンなど、国内だけでなく世界的にキャッシュレス化の動きが見られる。目まぐるしく変化していくテクノロジーに対し常にアンテナを張り、宿泊者と運営側にとって有益なテクノロジーを取り入れていくことが、今後の成功の鍵となるだろう。
「初めてロボットが働いたホテル」としてギネスに認定された同ホテル。しかし“ロボット”だけにこだわらず、新たな技術を積極的に取り込み、時代とともに変わり続けていくことに挑戦していく同ホテルに、今後も熱い視線が集まるだろう。
■「変なホテル ハウステンボス」公式サイトはこちら
【参照記事】
「変なホテル」脱ロボットの異変、ハウステンボスの目論見
(HOTELIER編集部)