横浜市とJTB、東京五輪開催期間中に横浜港・山下ふ頭にてホテルシップを実施

横浜市と株式会社JTB(本社:東京都品川区、代表取締役社長:髙橋広行)は25日、東京オリンピックの開催期間中である2020年7月23日から8月9日に、プリンセス・クルーズの客船「サン・プリンセス」を、宿泊施設“ホテルシップ”として山下ふ頭で実施すると発表した。

増加する宿泊需要に対応するとともに、期間中は山下ふ頭周辺にて宿泊者以外も楽しめるイベントを両社が連携し企画するという。催しや物産展などをイメージしているほか、横浜市の街の魅力を知ってもらうツアーの開発などにも取り組み、新たな観光需要の創出につなげる。

プリンセス・クルーズは、外国客船で初めて定期的な日本発着クルーズを実施した客船会社だ。日本食の提供や日本語サービスなどが充実しており、日本のゲスト向けにカスタマイズしたサービスを提供し高い評価を受けている。3種類あるクルーズ客船のクラスのうちプレミアム・クラスに位置し、手頃な価格帯で上質なサービスと美食を提供する。

同市内では宿泊需要が高まっており、ここ数年は年間平均85%を超える高稼働が続いているという。東京オリンピックや2019年開催のラグビーワールドカップに向け、ホテルの新設も相次いでいた。しかし、同市の林文子市長は「宿泊需要が充足されるわけではない」と指摘し、ホテルシップが解決策のひとつになるとの見方を示した。

近年のオリンピックでは、宿泊施設としてホテルシップが多く活用されており、東京オリンピック・パラリンピックでもその必要性が高まっている。同市は2017年12月、国家戦略特区を活用したホテルシップ実現を国に提案していたが、旅館業法では、窓のない客室は宿泊施設として営業できなかった。しかし、2018年5月に厚生労働省が同法の規制緩和についての通知を出し、実現に向け大きく前進した。

JTBは横浜港を選んだ理由について、クルーズ船の寄港回数の多さや受け入れ態勢が整っていることに加え、新国立競技場・横浜国際総合競技場・江の島など、オリンピックの競技会場へのアクセスの良さを挙げている。法人企業・組織団体・個人などに対し、JTBグループがホテルシップを旅行商品として一般発売することは日本初の試みだ。「JTB 東京 2020 メモリアルホテルシップ・サン・プリンセス客船滞在プラン(仮称)」として、2019年の春以降に発売予定だ。

林市長とJTBは、ホテルシップの実施について「大会後の有益な遺産(レガシー)として、また今後、日本全国で開催される大規模 MICE や世界規模のスポーツ大会などでの活用も期待されています」と述べた。現在、同市には複数の船会社から問い合わせがあり、オリンピック開催時には2隻以上のホテルシップが横浜港に停泊する可能性もあるという。

【参照記事】
横浜の新たな魅力に、横浜市とJTBが客船ホテル
【参照サイト】
・東京2020オリンピック期間中、日本初の【ホテルシップ】滞在プラン 横浜港にて実現!
・東京2020オリンピック大会期間中に山下ふ頭にてホテルシップが実施されます!
【コーポレートサイト】
・株式会社JTB
・横浜市
【サービスサイト】
・プリンセス・クルーズ
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(HOTELIER 編集部)


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