西武HD、会員制ホテル事業に新規参入。リゾートトラストや東急不動産にライバル出現
株式会社西武ホールディングス(本社:東京都豊島区、代表者取締役:後藤 高志、以下西武HD)が、1000億~2000億円を投じて会員制ホテル事業に参入することが明らかになった。2019年度から、年間1施設のペースで20施設をつくる計画だ。2008年に営業終了した日光プリンスホテルの土地を活用することが決定しているほか、軽井沢、北海道などに西武HDが持つ土地が開業地候補としてあがっている。
会員権を買えば、別荘を持つ感覚でホテルのような快適なサービスを受けることができる点が人気の会員制ホテル。契約の種類は複数あるが、建物の権利を一定期間貸す方式は初期費用700万円~1200万円、年会費15万円~20万円が相場。西武も同様の価格帯で販売するとみられている。
会員制ホテルの大手会社といえば、リゾートトラストや東急不動産が挙げられるが、いづれも富裕層からの人気が高い。日本生産性本部によると、ここ15年の会員制ホテルの市場は前年比1割超増えているという。また、スイス金融大手クレディ・スイスの調査によると、約1億1500万円以上の純資産を持つ日本の富裕層は16年で約280万人。1年前より70万人以上増えており、今後5年で27%膨らむ見通しとなっている。
訪日客の増加を追い風に、ホテルやレジャー事業の売上高が16年3月期1880億円と前期比7%の伸びを見せている西武HD。今回の会員制ホテル事業の参入は、すでに全国で24施設を運営するリゾートトラスト、同14施設を運営する東急不動産を追随する形となるが、いかに差別化を行うかが成功の鍵となる。また、ホテル事業の市場が活性化され、既に多くの施設を持つ他企業に向けて先行者としてのメリットとなる見方もある。
【参照】
・西武HDが会員制ホテル 最大2000億円投資
・西武HD、日光プリンス再開検討 会員制ホテルで19年度以降
・【買い】リゾートトラスト (4681) 西武HDが会員制ホテル 市場拡大するなら・・・
(HOTELS.Biz 編集部)