2020年までに国内ホテル約6万室増も、五輪時には1万室以上不足の予測

2020年までに新規供給される客室数が6万室を超える見通しであることが分かった。厚生労働省によると、16年3月時点で全国にあるホテルの客室数合計は約85万室。ホテル情報会社オータパブリケイションズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:太田進氏)の推計では、17~20年ごろまでに合計で約6万2500室分のホテルが新たに開業する見通しだという。

客室数の増加をけん引しているのは、ビジネスホテル。共立メンテナンスは18年3月までに「ドーミーイン」を8カ所(約1500室)新設、「ワシントンホテル」を展開する藤田観光は19年までに5カ所(約1000室)の開業を目指しているという。

富裕層向けでは、米ハイアット・ホテルズが「パークハイアット」を京都や北海道に新設するなど外資系ホテルの高級ブランドの開業が目立っている。同社では他のブランドも含めて国内拠点数を現在の約2倍の約20カ所に増やす計画だという。
米マリオット・インターナショナルは、東武鉄道と栃木県日光市に「ザ・リッツ・カールトン」を20年開業予定。外国人の富裕層は滞在型旅行を好む傾向があるため、地方の観光地への集客効果も期待できる。

20年までの客室の増加は、直近4年と比較すると実に2倍のペース。みずほ総合研究所のデータをもとにした試算では、投資額は約1兆円に膨らんでいるという。しかし、不動産サービス大手のCBRE(本社:東京都千代田区)は、20年に4000万人という政府目標通りの訪日客観光客が訪れると五輪時には東京都だけで約3万5000室の追加需要が発生し、1万室以上が不足すると予測している。今後、一般の住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」など、新たな受け皿や制度整備で一時的な宿泊需要の増加に応えることも必要になりそうだ。

【参照】
国内ホテル、20年までに6万室増 五輪時なお不足

(HOTELS.Biz 編集部)


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