2020年春「浅草ビューホテル アネックス 六区」開業、外国人観光客の需要を見込み和室・和洋室を用意
日本ビューホテル株式会社は2019年7月29日、2020年春に東京・浅草に開業を予定している新規直営ホテルの名称を「浅草ビューホテル アネックス 六区」に決定したことを発表した。
同社は2015年11月に「両国ビューホテル」、2017年5月に「札幌ビューホテル 大通公園」、2018年5月に「大阪ビューホテル 本町」を開業している。このたび名称が発表されたホテルは、これらに続く新規直営ホテルとなる。2018年11月にホテル建設に着工し、2020年3月に竣工予定だ。また、浅草では1985年6月に「浅草ビューホテル」を開業している。
近年の訪日・訪都外客数の増加とともに、台東区を訪れる外国人観光客数も急激に増加しており、今後もさらに多くの外国人観光客の来訪が期待される。台東区は浅草寺や雷門、仲見世通り、かっぱ橋道具街、上野アメ横などの観光スポットが多く存在する。さらに、隅田川を挟んで東京スカイツリーにもほど近く、外国人観光客にとって魅力的なコンテンツが豊富なエリアだ。
また、ホテルが建つ浅草二丁目地区は、昭和初期から映画館や寄席・劇場が立ち並び、東京随一の繁華街として隆盛を誇った、大衆文化の中心として栄える「浅草公園六区」と呼ばれる地区である。いまなお、古き良き日本の伝統文化が色濃く残った場所だ。そんな歴史ある伝統・芸能文化の街「浅草公園六区」に建つホテルとして、新ホテル名称を「浅草ビューホテル アネックス 六区」とした。ホテルは建物オーナーである松竹株式会社が全面協力し、日本の伝統文化である“歌舞伎”をコンセプトに加え、“和”を意識した親しみを感じさせるホテルとする予定だ。
ホテルはつくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩2分、東京メトロ銀座線「田原町」駅から徒歩8分に位置する。建物は鉄骨造の10階建て、延床面積は9,951.70平方メートル(予定)。景観デザインはアールデコをコンセプトに、浅草六区の歴史・文化・地区の街並みと一体となるデザインとした。浅草が持っている懐かしさ(郷愁)を、現代的に洗練したデザインコンセプトとしているという。
1・2階エントランス部分は吹き抜けとなっており、良質な奈良県の吉野杉を使用した木組みの列柱が立ち並ぶ。日本の造形美が感じられ、訪れるゲストをあたたかく迎え入れる。3~8階は縦のラインを基調とした外壁構成とし、9・10階はペントハウスとして“解放窓”と“パネル”の組み合わせにより、建物頂部を軽やかなデザインとした。
客室は全199室用意し、最大受入人数は608名である。観光シーンでの利用を見込み、1名定員のシングルルームは設置せず、全てが2名定員以上の客室となる。また、外国人観光客の需要を見込み全体の約17%にあたる35室を和室・和洋室としている。このほか、ホテルにはレストランなどが付帯する予定だ。
平成30年の訪日外国人旅行者数は3,119万人、訪都外国人旅行者数は1,424万人だった。台東区に注目すると、年間観光客数は2008年の3,934万人から2018年には5,583万人となり、10年で1,600万人ほど増加している。年間外国人観光客数では、2008年の191万人から2018年には953万人と10年で5倍近く増加した。また、台東区の調査によると、海外在住者は家族での来訪割合が全体の44.8%と高く、次いで友人との来訪が32.1%だった。平均同行者数は3.3人だという。
「浅草ビューホテル アネックス 六区」は全室が2名定員以上であることから、家族や友人同士で訪れる外国人観光客にとって利用しやすいホテルとなるだろう。和室・和洋室も設け、日本らしさを感じられる滞在ができそうだ。
浅草エリアでは、and factory株式会社が2019年2月に「&AND HOSTEL ASAKUSA」を開業したほか、京浜急行電鉄株式会社がホステル事業第1弾となる「plat hostel keikyu asakusa karin」を2019年3月に開業した。加えて、台東区に隣接する墨田区でも、蒼樹(ソーウッド)株式会社が2019年6月に泊まれるシアター「Theater Zzz(シアターズィー)」を開業している。
【参照記事】
・「浅草ビューホテル アネックス 六区」2020年春開業のお知らせ
・【日本ビューホテル】2020年春開業 浅草に新規直営ホテル 外観イメージ決定~アールデコをコンセプトにした景観デザイン~浅草ビューホテル別邸”HAKARAI”(仮称)
【参照サイト】
・増加し続けるインバウンド・観光需要に対応 東京を代表する観光地 浅草にビューホテルグループ 2 店舗目となるホテル「浅草ビューホテル アネックス 六区」2020 年春開業のお知らせ
・新規直営ホテル「(仮称)浅草ビューホテル別邸」について
・平成30年度 台東区観光統計・マーケティング調査
(HOTELIER 編集部)