マリオットと積水ハウス、「ザ・リッツ・カールトン」国内7軒目となるホテルを福岡にて2023年春開業
世界最大のホテル企業であるマリオット・インターナショナルは2019年7月9日、国内有数の不動産デベロッパーである積水ハウス株式会社と、福岡にて『ザ・リッツ・カールトン』の新ホテルを開業する契約を締結したと発表した。マリオット・インターナショナルを代表する同ブランドの伝説的とも言えるサービスや、同ブランドを象徴するラグジュアリーを、国内でも盛り上がりを見せる九州にて初めて展開する。
新ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」は、プロジェクトマネジメントを手掛ける積水ハウスをはじめとする5社で構成される「大名プロジェクト特定目的会社」により開発され、同ブランドの国内7軒目のホテルとして2023年春の開業を予定している。
「ザ・リッツ・カールトン福岡」は、ハイエンドな商業施設やオフィススペースも擁する、新築の25階建てビルに入居予定だ。同ビルは、更新期を迎えた民間ビルなどが多く集まる天神地区において、国家戦略特区による規制緩和などを活用し新たな空間と雇用を生み出そうという、福岡市による市内再開発の取り組み「天神ビッグバン」のひとつである。
ホテルは、東京や大阪へも新幹線でアクセスが便利な博多駅から車で約15分の場所に位置する。また、北京・香港・ソウル・上海・シンガポールなど多くの海外都市からの直行便がある福岡国際空港は、市街地からわずか6キロの距離にある。年間多くの旅行客を魅了する福岡は、ショッピング、郷土料理、魅力的な美術館や海への近さで良く知られている街だ。ホテルの徒歩圏内には福岡城や、福岡ならではの歴史・文化・芸術・憩いのスポットを堪能できる大濠公園など、観光客に人気の観光スポットがある。
ロビーはビルの1階に位置し、『ザ・リッツ・カールトン』の代表的なクラブラウンジや施設を設ける。客室は全162室用意し、スイートはビルの18~24階を占める予定で、福岡市の素晴らしいスカイラインの眺めを届けるという。オールデイダイニング、専門料理のレストラン、ブティックパティスリー、ゲストが洗練されたカクテルや飲み物とともに思い出深い夜を楽しめるザ・バー&ラウンジなど、6軒のレストランおよびバーを用意する。
加えて、会議や特別なイベントに利用できるボールルームや会議室を備え、ロマンチックなウェディングやお祝いの場にふさわしいチャペルも擁する予定だ。さらに室内プール、ジム、高い評価を誇る「ザ・リッツ・カールトン スパ」を設けゲストエクスペリエンスを高め、福岡を訪れるゲストにとって極上の、そしていつまでも記憶に残る思い出を届けるという。
マリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏は、同ホテルについて次のように述べた。
「マリオット・インターナショナルのホテル開発において、長年にわたり手を携えてきた積水ハウスとともに、「ザ・リッツ・カールトン福岡」の開業を進めることができ、大変光栄に思います。この度の契約は、『ザ・リッツ・カールトン』ブランドが日本に初進出してからの20年あまり、多くのお客様に継続して愛され続けてきたことを強調しているでしょう。また、インバウンド観光が伸びている福岡というロケーションは、特に理想の場所であると考えております。」
積水ハウスは、マリオット・インターナショナルと現在国内にて3軒のホテルを開業している。このたび発表された「ザ・リッツ・カールトン福岡」に加え、今後さらに19軒のホテルを国内各地に開業予定だ。同社の代表取締役社長・仲井嘉浩氏は、次のように述べた。
「福岡市内の重要なプロジェクトの一部として、「ザ・リッツ・カールトン福岡」を誘致できた事を非常に嬉しく思います。マリオット・インターナショナルとの長年のコラボレーションを通じて、「ザ・リッツ・カールトン福岡」は上質なおもてなしのレベルを向上させ、また、この素晴らしい街へのレジャーやビジネスを目的とした来訪者にとって有意義な旅のアクセントとなると確信しています。」
この度の契約締結は、マリオット・インターナショナルの日本国内におけるラグジュアリーポートフォリオの展開拡大をさらに進めることとなる。現在国内では、東京・大阪・京都・沖縄に4軒の『ザ・リッツ・カールトン』ホテルや、「セントレジスホテル大阪」を展開する。これらだけでなくラグジュアリーコレクションホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」、「翠嵐(すいらん)」(京都)、「イラフ SUI」(沖縄)の3軒を展開しており、今後さらに8軒のラグジュアリーホテルの開業に向けた契約を締結済みだ。
福岡県がまとめたレポートによると、九州7県における外国人入国者数はこの5年間で約3倍に増加している。福岡は、アメリカのテレビ局・CNNが運営するWebサイト『CNN Travel』が発表した「2019年に訪れるに最もふさわしい世界の19の場所」において、日本で唯一選ばれた。『CNN Travel』の記事では、「もしあなたの日本への旅行計画に福岡が入っていないなら、プランを見直した方がよい」と福岡への訪問を薦めているという。
マリオット・インターナショナルは2018年に約500軒・8万室におよぶホテルを開業し、同年末時点で130の国と地域に6,900軒以上のホテル・130万室を超える成長を見せた。同社のロイヤルティプログラムは世界に1億2千万人の会員を有するといい、注目度の高い福岡にホテルを新規開業することで、世界各国からの観光客を誘客できそうだ。
【参照記事】
積水ハウスとの契約を締結し、162室のザ・リッツ・カールトンホテルが福岡に誕生
【参照サイト】
福岡県観光「ご来福」レポート 第6号 平成31年3月28日発行
(HOTELIER 編集部)