野村不動産、地域一帯となったホテル事業参入へ。訪日外国人客取り込み高い収益率狙う
野村不動産株式会社が、グループ会社を通じ2018年秋に東京・東上野に自社ブランドのホテルを開業することが明らかになった。
同社は、野村不動産ホテルズを10月中旬にも設立し、拡大を続ける訪日外国人旅行客の取り込みを狙う。オフィスビルに匹敵する収益を見込み、宴会施設などを持たない宿泊特化型にすることでさらに収益力を高めるという。
第1弾のホテルはグループのNREG東芝不動産が保有する土地に建設。130室規模で平均客室単価は2万円前後、宿泊客の半数に外国人を想定している。東名阪の三大都市圏を中心に札幌や福岡などの地方中枢都市も検討し、早期に2,000室展開予定。1拠点あたりの総事業費は50億円前後を想定し、規模は130室を予定。
また、将来は住宅との複合開発、不動産投資信託(REIT)への物件売却も検討。他社が持つ物件に入居する形での運営や大規模複合開発での外資系ホテル誘致も進める計画だという。
同社に関しては日本郵政による買収計画が持ち上がっていたものの、両社の条件が合わず6月に白紙に戻っている。郵政の持つ土地をマンション事業などに活用することを模索していたものの収益拡大は見込めないとの判断に至ったと見られているが、ここへきて収益が期待できるホテル事業へ舵を切った。
不動産サービスのCBREの17年7月の調査では、不動産の期待利回りは地価が高い東京・大手町のオフィスの平均3.55%に対し、東京主要5区の運営委託型のホテルの平均は4.75%と高いことが分かっている。野村不動産も「今は同じ規模・立地ならホテルはオフィスビルに負けない収益が期待できる」との見解だ。
【参照記事】
・野村不、ホテル運営に参入 オフィスより収益高く
・日本郵政と野村不動産HD、買収交渉中止を発表
(HOTELIER 編集部)