旅館業法改正案国会審議へ。フロント廃止、和室にベッドも可能に。
厚生労働省は、20日召集の通常国会に提出する旅館業法の改正案の内容について、フロントの設置義務や、和室では寝具が和式でなくてはならないといった定めを撤廃する方針を固めた。
フロントの設置義務については、指紋認証などの情報技術(IT)で安全確保や本人確認ができる場合は、設置しないことも認めるとしている。外国人観光客が増える中、フロントに立ち寄らない客室内でのチェックインなど、「おもてなしの多様化」を促す。
現在の旅館業法では、客の出入りを確認し薬物使用や売春を防ぐことを目的に、ホテル、旅館のフロントの設置を義務付けている。自治体への通知では、客と対面して宿帳記入がしやすいよう、幅は1.8メートル以上と定めている。
しかし、既にリゾートホテルでは高級感を演出するため、ラウンジのソファや客室内でのチェックインが増えている。自動チェックイン機を導入するビジネスホテルや、宿帳記入の代わりに指紋認証で本人確認する政府の実証実験も実施されている。そのようなケースでも、現行法ではフロントを設けておく必要があり、業界団体は「実態に合わない」と見直しを要請していた。政府の規制改革推進会議も2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、サービス拡充に向けた規制緩和を求めていた。寝具についても「和室では和式(布団)」と定められているのを撤廃し、ベッドを置けるようにする。
(HOTELS.Biz 編集部)