都内主要ホテルの客室稼働率、7ヶ月連続前年割れ。訪日外国人数は依然として増加
都内の主要18ホテルの客室稼働率が7ヶ月連続で前年割れ、8月の稼働率は「79.2%」と前年同期比「6.2%」減少し、今年最大のマイナス幅を記録したと10月22日付日本経済新聞朝刊が報じた。
訪日外国人数増加の中で下がる稼働率
日本政府観光局(JNTO)の調べによると、28年1月から8月までの訪日外国人数は前年比「24.7%」まで増加、8月だけでも204万9,000人と前年同月比「12.8%」と8月としては過去最高を記録している。
地方分散と多様化する宿泊施設
では稼働率が下がる原因は何か?観光庁が出している宿泊旅行統計調査によると都道府県別外国人宿泊数は平成28年8月で前年同月対比「−12.3%」となっている。前年同月対比50%を超えているのは、福島県「56.19%」、群馬県「52.23%」、香川県「65.92%」、愛媛県「61.46%」である。
日本へ入国した外国人が東京ではなく、地方へ分散しているのがわかる。特に8月は各地でお祭りやイベントが多く行われるので、その観光目当てに外国人観光客が動いたとも読みとれる。
訪日外国人消費動向調査で「ホテル」に宿泊したという回答者が27年度7〜9月では「81.4%」だったのが28年度7〜9月「75.6%」と減少し、「ユースホステル・ゲストハウス」「その他」の宿泊施設利用率は「12.2%」から「21.2%」に増えている。特に8月は学校が夏休みに入ることもあって、学生やバックパッカーなど長期滞在の旅行者が増え、ゲストハウスやカプセルホテル、ウィークリーマンション利用者が増える。
また、都内では中国人などが爆買いした高層マンションの部屋を非合法に貸し出しているケースも話題になっており、こうしたマンションへの宿泊が増えている可能性も否定できないという。
爆買いの象徴だった訪日外国人の姿に、変化が見えはじめている。
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(HOTELS.Biz 編集部)
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