地域と共に歩み続ける、グランビスタ ホテル&リゾートが手がける「INTERGATE HOTELS」
「札幌グランドホテル」や「鴨川シーワールド」「苫小牧ゴルフリゾート72」など全国各地でシティホテルやビジネスホテル、旅館、リゾート施設の運営を手がける株式会社グランビスタ ホテル&リゾート。
今回HOTELIERが訪れたのは、2018年3月よりスタートした新たなホテルブランド「INTERGATE HOTELS(インターゲートホテルズ)」のプレス説明会。ブランドコンセプトやターゲットのほか、同社の企業概要、今後の事業戦略、さらには実際にホテルで行われているワークショップも体験させてもらった。
グランビスタ ホテル&リゾートについて
同社は昭和33年8月、北海道の観光開発を目的に設立された企業。その後は総合ホテル・レジャー施設の全国展開に舵を切り、数回の社名変更・株主変更を経て、現在に至った。その歴史は実に60年以上もあり、日本の観光・宿泊事業を長きにわたり支えている。
ブランドステートメントは、「地域の価値で、未来を変えていく。」地域とともに歩み、地域とともに成長していくことを掲げ、地域観光の活性化や観光インフラ整備などに寄与し、地域社会に貢献する姿勢だ。そういった企業の想いから、「INTERGATE HOTELS(インターゲートホテルズ)」の名は、地域と旅人、地域とホテル、ホテルと旅人、そして文化と旅など、様々な間をつなぎ新しい世界・未来の扉を開いていくという想いが込められている。
現在、ホテルや旅館、リゾート施設など、全国にある18もの施設を運営・管理する同社が新たなホテルブランドを立ち上げた背景には、同社がこれまで培ってきた運営ノウハウと、株主であるサンケイビルが持つ不動産商品の開発ノウハウとのシナジー効果により、時代のニーズに即した事業開発・展開があるという。
INTERGATE HOTELS(インターゲートホテルズ)について
コンセプト
同ブランドは、「All For Tomorrow」をコンセプトに、価値体験型ホテルを目指す。価値体験型とは、ゲストがその地域の魅力を発見したり、旅先で充足した時間や快活な自分を取り戻すために、最高の朝をお届けするホテルであることだと、代表取締役社長の須田 貞則氏は述べた。
一日の活力源は朝にあると捉え、以下のように4つのエクスペリエンスコンセプトを設定している。
- ここちよい朝:快眠を追求しシモンズと共同でオリジナルベッドを開発、また地元のコーヒーショップと連携したこだわりのコーヒーを提供
- まなびの朝:地域の人とともに伝統工芸や文化を学べるワークショップを開催
- たのしむ朝:同ブランド料理特別顧問の江本浩司監修の「焼きたてパンとごちそう野菜の朝ごはん」を提供
- つながる朝:ゲスト同士やゲストとスタッフ、ゲストと地域をつなぐ場所としてインターゲートラウンジを設置
ターゲット
ターゲットとしているのは、旅慣れたアクティブな「インバウンド」「シニア」「ビジネスパーソン」の3つ。本質的な豊かさを求める人々を共通のマインドとしており、インバウンドに対してはOTAの販促強化や“コト体験”スケジュールの可視化、訪日外国人向け体験予約サイト「Voyagin」での情報発信を強化。
シニアに対しては、伝統工芸のワークショップの実施やラウンジサービスの充実、そしてビジネスパーソンに対しては、上質な睡眠を得られる客室づくりやWi-Fiの設置、大浴場完備など、仕事の疲れを癒せるような空間づくりをしている。
既にオープンしているインターゲートブランドのホテルは、2018年3月に開業した1号店の「ホテルインターゲート京都 四条新町」、同年4月開業の「ホテルインターゲート東京 京橋」、そして2019年1月にオープンしたばかりの「ホテルインターゲート広島」の3施設。ターゲットにマッチしたサービスが功を奏し、いずれも70%以上という高い稼働率を誇っているという。
今後の出店予定
同ブランド4店目となるのは、北陸新幹線の開業で国内外の観光客数が増加する石川県・金沢。北陸エリア初進出となる「ホテルインターゲート金沢」は、兼六園から徒歩圏というアクセスの良さが魅力の全166室。2019年3月開業を予定しており、着々と準備が進んでいるという。また2021年春には西日本エリアの旗艦店として「ホテルインターゲート大阪 梅田」を開業予定であることが2019年2月14日に発表された。
今後もターゲットの明確化と同ブランドならではの価値を提供することで、多くのゲストに選ばれリピートされるホテルを目指していくとニューコンセプトホテル事業 運営管理部 部長の野田泰弘氏は語った。
伝統文化に触れられるワークショップ
プレス説明会後に行われたのは、「ホテルインターゲート京都 四条新町」で開催しているワークショップ【和蝋燭(ろうそく)の絵付け体験】だ。和蝋燭は、「木蝋(もくろう)」や「櫨(はぜ)の実」などの植物性の原材料でつくられたろうそく。芯も「い草」の髄でできているため、石油から作られる洋ろうそくに比べ、環境に優しい灯りだ。
和蝋燭の絵付けという文化は、寒いエリアなどで墓前に生花を供える代わりに蝋燭に絵を施してお供えしたことがはじまりと言われている。今回のワークショップでは、2本の和蝋燭や絵の具などの絵付けの道具を全て用意してもらえ、実際に絵を描かせてもらうことができた。
サンプルブックを見ながらとはいえ、細長い和蝋燭に絵を描くことは難しく、終始手の震えが止まらなかった(笑)
最後に
数年前までは「爆買い」といった言葉が流行するなど、訪日外国人のニーズは「モノ消費」が中心だったが、近年は温泉やレジャー体験、日本の文化や歴史に触れるなどといった「コト消費」へと変化している。そういった中で同社のような様々な価値を体験できるホテルは、他と大きな差別化が図れることで今後さらにニーズが高くなっていくことが見込める。同ホテルでの宿泊体験を通し、訪日外国人に少しずつ日本の魅力が届けられることを期待したい。
■「インターゲートホテルズ」公式サイトはこちら
■「株式会社グランビスタ ホテル&リゾート」コーポレートサイトはこちら
(HOTELIER編集部)