西日本の宿泊施設、9割が訪日客対策で無料Wi-Fi導入、6割が効果実感。日経調べ
日経新聞社が実施した観光地調査で、西日本のホテルや旅館の9割が訪日外国人対策として無料のWi-Fiを導入しており、うち6割が集客などへの効果を実感していることが分かった。
調査には59の宿泊施設が回答。これら施設の2016年利用者は延べ7万3千人で、このうち訪日客は1万3千人余りと18%を占めているという。国内客の連泊は22%に留まる一方、訪日客の2~3泊以上の連泊は35%に上る。
主な調査結果の上位は、それぞれ以下の通り。
・訪日客を迎えるための工夫など(複数回答)
「無料Wi-Fiの設置」93%、うち「効果があった」との回答は59%
「インターネット予約への対応」85%、同55%
・今後実施したい対策
「外国語に対応できる人材の確保」24%
「従業員への外国語教育」24%
・訪日客の予約方法について(複数回答)
「海外のサイトから」38%
「国内の旅行会社(代理店)から」33%
今回の調査では「海外の宿泊サイトでのクチコミ数が増えるように(訪日客に)案内カードを配布している」(金沢のホテル)といった回答もあったほか、宿泊客の4分の1が訪日客のJRホテルクレメント高松(高松市)は、SNSでの拡散を期待し10月からロビーに置いた多言語のパネルやチラシで館内の撮影スポットの紹介をし始めるなどの事例もあり、増加する訪日客を積極的に取り込もうとする姿勢がうかがえる。
西日本では、NTT西日本と京都府旅館ホテル生活衛生同業組合がWi-Fi環境などの普及に関する連携協定を結んでいる。府内約450の宿泊施設(ホテル、旅館、簡易宿所)が加盟する同組合のWi-Fi普及率を現在の約70%から100%へと高め、通信品質の向上も図っていくという。
諸外国の人気観光地と比較し、無料Wi-Fiの普及が遅れている日本。同協定が全国のモデルケースとなるだろうか。
【参照記事】
・西日本のホテル・旅館、無料Wi―Fiで6割「効果」
・ワイファイがないと客呼べない-外国人観光客の満足度アップに、宿泊施設の通信環境整備を加速 京都の組合とNTT西が協定
(HOTELIER 編集部)