東京・銀座、路線価2年連続上昇、バブル末期を超え最高額を更新
相続税や贈与税の算定基準となる2017年分の路線価(1月1日時点)が7月3日に国税庁により公表された。全国の平均変動率は前年比0.4%増となり、2年連続で上昇。東京都の最高路線価は、バブル期末期を超えて最高額を更新した。
バブル期とは異なり、マイナス金利による不動産投資や、訪日客を見込んだホテル需要の高まりなどが追い風となり、中枢都市中心に13都道府県で上昇したが、地方圏は下落傾向にあり二極化が進んでいる。
東京・銀座の鳩居堂前が上昇率トップの26.0%で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発事業などを背景に、1平方メートル当たり4,032万円はバブル末期1992年の3,650万円を25年ぶりに更新した。訪日外国人客が多い京都市は20.6%、札幌市は17.9%、そして大阪府、横浜市が15.7と続いた。
去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者は、推計で過去最多の2,400万人余り。銀座では外国人観光客によるインバウンド消費を追い風にして、免税店やドラッグストア、若者に人気のファストファッション(H&Mやフォーエバー21)の大型店などが次々と出店した。また、今年3月に「マロニエゲート銀座2&3」がリニューアルオープン、4月にはブランド店など200以上のテナントが入った商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」がオープンするなど、再開発が進み、多くの観光客で賑っている。
一方で、32の県では路線価が去年を下回った。下げ幅の最大は秋田で2.7%。熊本が昨春の地震の影響でマイナスに転じた。路線価の高騰は東京に一極集中し、地方圏は下げ止まっていないのが現状だ。
【参照記事】
・2年連続上昇 東京・銀座、バブル超え最高額
・路線価 銀座がバブル期超えて過去最高に
(HOTELIER 編集部)