8都市で20年までに客室26%増、ホテル供給過剰か。ビジネスホテルが客室増けん引

不動産サービス大手CBRE(本社:東京都千代田区、CEO:坂口 英治氏)が、宿泊施設の客室が17年から20年ごろまでに全国主要8都市で16年より約6万5千室、26%増えるとの調査をまとめた。

東京は25.6%増の約2万5千室、大阪は34.9%増の約1万8千室、訪日客に人気の高い割にホテルが少なかった京都は、約8千室と36.1%増える見込み。これは、20年に東京で1万6,700室、大阪で1万3,300室不足するとのみずほ総合研究所株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 秀行氏)が出した調査をもとにした試算を上回るものだ。

増加のけん引役は、ビジネスホテルだ。アパグループ(本社:東京都港区、代表者:元谷 外志雄氏)は17年から20年までに47ホテル(約1万4,500室)、東横イン(本社:東京都大田区、代表執行役社長:黒田 麻衣子氏)は18年までに25ホテル(約8,400室)、共立メンテナンス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:上田 卓味氏)は「ドーミーイン」を20年3月までに31ホテル(約5,800室)つくる予定。また、JR東日本(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:冨田 哲郎氏)もインバウンドの増加を追い風にホテル経営のアクセルを踏んでおり、20年ごろまでに自社グループが運営するホテルの数と客室を現在の43ホテル(6293室)から60ホテル(1万室超)にする計画を立てている。

新ホテル増加の一方、都内では稼働率が伸び悩むホテルが目立つ。渋谷エクセルホテル東急では「新しいホテルに客足が流れている」(相馬克俊リザベーションマネジャー)と不安の声を隠さない。

6月に成立した住宅宿泊事業法(民泊法)を受けて、18年1月にも民泊が全国で解禁される。年間の営業日は180日以内という制限があるが、仲介最大手の米エアビーアンドビーでは国内5万3千室が登録されており、利用者は年間500万人に上る。ライバルはホテルだけではないのだ。

【参照記事】
・ホテル 実は不足せず? 8都市、20年までに客室26%増
・JR東日本、「60ホテル・1万室」構想で怒涛のホテル建設…空前のホテル大余剰の懸念
コーポレートサイト】
・東日本旅客鉄道株式会社
・アパグループ
・株式会社東横イン
・株式会社共立メンテナンス
・エアビーアンドビー

(HOTELIER 編集部)


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