映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地「天城荘」、民事再生法適用申請。負債約3億2,000万円
静岡県河津町にある創業約60年の老舗温泉旅館「大滝温泉 天城荘」を経営していた「天城自然公園」(本社:静岡県賀茂郡、社長:佐々木 修氏)が民事再生法の適用を申請した。同旅館は映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地となったことで知られている。
伊豆箱根国立公園内、河津川渓流沿いにある天城自然公園は昭和34年設立。天城荘は同32年頃から運営されており、露天風呂に入りながら河津七滝の1つで落差30メートルの「河津大滝(おおだる)」を眺められることで知られる。有名旅行雑誌でも静岡のおすすめ温泉として必ず取り上げられるほどの人気で、温泉ファンを中心に高い知名度があった。
近年は個人消費の落ち込みや、旅行者の嗜好多様化への対応が遅れ、業績が低迷。施設の老朽化が顕著になる中で資金繰りが悪化し、負債総額は約3億2,000万円。弁護士は「改修資金もないうえに宿泊費を下げるという経営の悪循環に陥っていた」と話している。今後については、運営面でソフトウェア会社の株式会社リバティー(本社:静岡県駿河区、代表取締役:福原 良佐氏)の支援を受け事業を継続するという。
東京商工リサーチが発表した2017年2月度の宿泊業の倒産状況によると、宿泊業の倒産件数は8件で、前月から3件増加。前年同月から1件増加しており、負債総額は36億6,900万円であった。
【参照】
・映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地になった温泉旅館「天城荘」の運営会社が倒産
・旅行・宿泊業の倒産件数、2017年2月は合計9件、負債総額は37.7億円 ―東京商工リサーチ
(HOTELS.Biz 編集部)