積水ハウス、インバウンド向けホテル事業に注力。海外事業は約1兆円強の投資
積水ハウス株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:阿部俊則氏)は、2020年1月期を最終年度とする経営計画において、国内事業では賃貸住宅や戸建て住宅など中核事業に加え、ホテルなどインバウンド関連事業にも注力すると発表した。
2018年の開業を目指し、愛知県常滑市の中部国際空港島内に米国の「スターウッドホテル&リゾート」グループが展開する「フォーポイント バイ シェラトン」の建設を予定している。フォーポイントは、シェラトンの低価格姉妹ブランドにあたり、国内では北海道の函館市に続いて2ヶ所目となる。同ホテルは地上12階建て、スイートルームも含めた300室前後になる見通し。
空港周辺は、訪日外国人観光客の増加を受けてホテル需要が高まっており、格安航空会社(LCC)の専用ターミナルや、県の国際展示場の建設も控えている。既存のセントレアホテルや東横インが相次いで増築を計画するほか、4月には空港ターミナルビル内にカプセルホテルもオープンする予定だ。
また、積水ハウスは、数週間から数カ月滞在できる中長期型滞在ホテル「サービスアパートメント」の開発も進められており、2020年春に東京・赤坂に地上22階建ての高級物件を開業する。東京五輪で来日する外国人富裕層らを取り込む考えだ。
国内事業における過去3年間の投資は約7000億円で、今回の計画では6500億円と抑えられているが、2020年に向けて注力されているインバウンド向けホテル事業からは目が離せない。東京や大阪、愛知など航空の便が良い地域を視野にホテル開業が進んでいる。
一方、海外事業においては、2018年1月期からの3年で、過去3年間の2.2倍の約1兆円強の投資を行い、4千億円規模に育てることを表明した。現在進出している、米国、オーストラリア、中国、シンガポールの4ヶ国を徹底的にやっていく指針だ。
2017年1月期は当初計画を上回り過去最高の売上高、営業利益を達成した同社。2020年以降を見据え、国内事業を着実に成長させつつ、海外事業という大きな柱を打ち立てようとしている。
【参照】
・積水ハウス、海外に1兆円 3年で投資計画
・セントレアで初、外資系ホテル シェラトン低価格系列、来年開業へ
・積水ハウス、長期滞在型ホテル参入 外国人富裕層狙う
・積水ハウスグループ 第4 次中期経営計画(2017~2019)
(HOTELS.Biz 編集部)