マリオットの新規契約ホテル総客室数が過去最高を更新、2019年は平均17時間に1軒のホテルが誕生

マリオット・インターナショナルは2020年2月12日、2019年の新規ホテル契約において記録的な部屋数を契約し、世界中で今後開業予定のホテル(パイプライン)の総客室数が、同社では過去最高となる約515,000室にまで到達したことを発表した。

同社は合計136,000室以上となる815軒の契約を締結し、新規契約ホテルの総客室数が7年連続で過去最高を更新した。「世界各国における前例のないレベルの客室数契約締結が、こうした成長を牽引しました」と述べている。同社は2019年の1年間で、60の国と地域に新たに78,000室以上・516軒のホテルを開業した。これは、平均すると17時間に1軒のホテルが世界のどこかで誕生したことになる。また、2019年末時点で世界134の国と地域で7,300軒を超えるホテルおよび約138万室を擁しており、新規ホテル開発案件の半数以上が北米以外の地域にあるという。

高価値の国際市場での成長にとって記録的な年

2019年に同社が契約を結んだ客室数のうち53%が北米以外の地域にあり、アジア太平洋(38,000室)、ヨーロッパ(17,000室)、カリブ海・中南米(9,000室以上)、中東・アフリカ(8,000室)の各地域において過去最高のボリュームを記録した。さらに昨年は、キプロス・モルドバ・キルギスタン・ラトビアの4ヵ国で同社初進出となる第一号のホテルを開業した。

同社はグローバルラグジュアリーホテルブランドの記録的な数の契約を結び、価値の高い当セグメントにおけるリードをさらに強化した。また2019年は、27の国と地域で42軒のラグジュアリーホテルの契約を締結し、「セントレジス・ベニス」「Wドバイ – ザ・パーム」「ウエスト・ハリウッド・エディション」「ザ・リッツ・カールトン プネ」などの34軒のホテルが開業もしくはコンバージョンされた。同社はラグジュアリーの拡充に注力しているが、その中でもWホテルの活性化に努めている。昨年は「Wニューヨーク ・ユニオンスクエア」を購入し、これから『W』ブランドを代表するホテルに改装する計画だ。

オールインクルーシブ・プラットフォーム立ち上げの成功

同社は2019年8月、オールインクルーシブ・プラットフォームを立ち上げ、自らのブランド・規模・信頼されるサービスを、成長中のグローバル・バケーション・セグメントに投入した。立ち上げから6ヵ月以内に、オールインクルーシブホテル7軒、合計約3,200室の運営受託もしくはフランチャイズ契約を結ぶことに成功した。

現在、800室の『マリオット・ホテル』のリゾートをジャマイカに、メキシコには240室の『リッツ・カールトン』のリゾートをオールインクルーシブなサービスを提供するプロパティとして開発中だ。さらに昨年、同社はバルバドスの美しい島で計588室を有する7つのホテルを運営するエレガント・ホテルズ・グループの買収を完了した。

手頃なライフスタイル・ホテル・ブランドが当社成長を促進

同社傘下の3ブランド『ACホテル・バイ・マリオット』『アロフト』『モクシー』は、次世代の旅行者に応えるため2019年に約10,000室をオープンした。これら3ブランドは、ギリシャ・アイルランド・ジャマイカ・ラトビア・ネパール・スイスで昨年開業した新たなホテルを含め、世界44の国と地域に合計65,000室以上を展開している。2019年の間、当社はこれら3ブランドで合計約24,000室の契約を締結し、『ACホテル・バイ・マリオット』と『モクシー』の両ブランドにとっての客室数契約において新たな記録を打ち立てた。

 

マリオット・インターナショナルは日本においてもホテル開発を複数進めている。2020年春には、『アロフト』ブランドの日本初進出となる「アロフト東京銀座」(206室)が開業予定だ。銀座駅および東銀座駅双方から徒歩5分以内で、東急プラザやGINZA PLACE、近年オープンしたGINZA SIXなどの人気施設からも徒歩圏内にある。同ブランドのDNAであるハイテクを取り入れ、客室ではゲストのスマートフォンやApple Watchをルームキーとして使うことができ、従来のルームキーを必要としないキーレスシステムを採用するという。

同年5月には「ザ・リッツ・カールトン日光」(94室)を開業予定だ。日光国立公園内に立地し、栃木県で初となるインターナショナルラグジュアリーホテルだ。美しい四季を尊び味わう日本独自の自然観や美意識を宿し、西洋と日本の建築デザインが調和した「奥日光の自然と調和する邸宅」をデザインコンセプトに掲げている。

2022年5月には「ウェスティンホテル横浜」(373室)、2023年春には「ザ・リッツ・カールトン福岡」(162室)を開業する。2023年には北陸地方初となる「コートヤード・バイ・マリオット福井」(約252室)を開業予定だ。同年に新幹線が開通予定の福井駅から徒歩圏内に建設予定で、住宅やレンタルスペース、オフィス施設などが集まる多目的利用ビルの一部となる予定だ。会議室やボールルーム、オールデイダイニング、日本食レストラン、ロビーラウンジを完備することが予定されている。

また、2020年には東京や奈良を含め世界各地に30軒以上のラグジュアリーホテルを開業予定だ。開発案件にはアイスランド・モンテネグロ・フィリピンなど、同社のラグジュアリーポートフォリオに15を超える新たな国と地域が加わる予定だという。

同社のデザイン&オペレーションサービス グローバル・デベロップメント グループ・プレジデントのトニー・カプアノ氏は「自らの成長哲学を忠実に守り、旅行者の進化する嗜好やライフスタイルに継続的に応えて行くことで、2020年を、そしてそれ以降も成功に導く覚悟でおります」と述べている。2019年に“平均17時間に1軒のホテルが誕生した”という記録的な成長を見せた同社は、今後もその動向に注目が集まるだろう。

【参照記事】
・マリオット・インターナショナルが2019年に7年連続で新規客室契約数を更新 今後開業予定ホテルの総客室数が合計約515,000室に
・スタイリッシュなアロフト・ホテルが2020年に日本初上陸
・【 ザ・リッツ・カールトン日光 】デザインコンセプトは、「奥日光の自然と調和する邸宅」
・北陸地方初となるホテルが福井県に進出決定
・マリオット・インターナショナルが新たなデスティネーションも含め2020年は世界各地に30軒以上のラグジュアリーホテル開業を予定

(HOTELIER 編集部)


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