横浜ベイシェラトン、訪日外国人向けに改装。客室広く、鍵なし入室システム導入へ
神奈川県横浜市にある横浜ベイシェラトンホテル&タワーズが、総投資額25億円をかけて訪日外国人集客強化のための改装を行うことが明らかになった。
改装は2020年までの4年間を予定。第1期としてスイートルームなど高価格帯の部屋が多い24階から27階までの高層階を17年1月から改装、同年4月に開業予定。第1期改装の部分には現在88の客室があるが、シングルルームをなくしスイートルーム、ツインルームを増設することで62室まで減らす。同ホテルは、16年1月~11月の宿泊客の約4割が外国人。ビジネス旅行のほか家族での観光も増えていることから「ゆとりを感じられる広い部屋の需要が高まっている」(同ホテル)として1室あたりの面積拡大に踏み切った。第2期以降の中層階から下層階の改装でも同様に改装を進め、総客室数は現在の398から308室へと2割以上減らす計画だ。
海外のホテルチェーンなどで利用が広がっている、鍵なしで入室が可能な「キーレスシステム」の導入に向け、ドアにセンターを埋め込む作業も合わせて進められる。改装後は、スマートフォンなどに専用アプリをダウンロードし、チェックイン後に客室のドアノブ付近にスマホをかざすだけで無線の「ブルートゥース」で利用情報を送信され、入室が可能となる。室内にもセンサーを配備し在室管理を自動でできるようにするため、客は従来の在室管理手法であった、カードキーを室内のカードホルダーに差し込むという手間から解放される。2020年の改装完了までには全館でシステムを稼働させる予定。
英語圏以外からの集客拡大に向けて、外国語人材の採用も強化する。現在は外国人利用者のうち8割が欧米系だが、今期からサービス部門で中国語やインドネシア後、ドイツ語を話すスタッフを増員しており今後も増員を続けていく方針だという。
同ホテルのあるエリアでは、2019年6月に米高級ホテルのハイアットリージェンシーがみなとみらいに、2020年2月には米オークウッドが馬車道近くで開業を予定するなど外資も含めホテルの進出が相次いでいる。東京五輪を控え増加が見込まれる外国人観光客の誘致に向け、横浜の大型ホテルは独自色を打ち出す必要に迫られているようだ。
【参照】
横浜ベイシェラトン、外国人集客を強化 室数減らし1室を広く
(HOTELS.Biz 編集部)