沖縄のホテル内に診療所。医療法人タピックグループ、長期滞在型の医療観光事業本格化へ
医療ツーリズムで訪日する外国人観光客がターゲット
ホテルや観光施設を運営する医療法人タピックグループ(本社:沖縄県沖縄市、代表:宮里好一氏)が、医療観光事業を本格化すると琉球新報が報じている。
傘下のユインチホテル南城(沖縄県南城市)の敷地内に「ユインチ健康クリニック(仮称/2017年9月以降開業予定)」を設置することで、ホテルに滞在しながらクリニックに通う、長期滞在型医療観光事業の形成を狙う。
同クリニックではリハビリテーション診療を核とするほか、高度な脳検査ができる磁気共鳴画像装置(MRI)や漢方医療も導入。医療ツーリズムで訪日する外国人の誘致に向け、同クリニックを拠点とした医療通訳の養成も視野に入れているという。
利用者の目標は年間50~100人。宿泊需要の増加を見込み、タピックグループはユインチホテル敷地内に新館を建設するほか、閉館中だった「ホテルサンライズ知念」(南城市知念)も取得している。
地元市民の健康も支える施設へ
宮里代表は琉球新報の取材に対し、「新たな医療施設は国内外の客だけではなく、地元客も気軽に使える施設にしていきたい。市民の病気予防にもつなげたい」「高齢社会の中に新しい観光を築き、高齢者が少々病気になっても安心して旅行できるようにしたい。今後世界一のメディカルホテルを目指したい」と述べている。
日本の検査技術に集まる熱視線
2016年1月に日経新聞が報じたところによると、政府は医療ツーリズム体制を整え、訪日外国人客の誘致増を後押しするという。産業競争力会議で検討項目の一つとして取り上げられる。日本の医療検査技術は海外から高く評価されており、特に中国では死因第一位である癌の早期発見の検査技術や精密な検査機器が不足しており日本の癌検診に熱い視線が注がれている。
【参照】
・ホテル内に診療所 沖縄・南城でタピック社、「医療観光」展開へ
・医療ツーリズム、政府が体制整備 訪日客増へ新成長戦略
・中国人为什么喜欢去日本旅游 高水平医疗是一大原因
(HOTELS.Biz 編集部)