TrustYouに新機能追加、宿泊施設はプラットフォームを離れることなくクチコミの大部分へ返信可能に

世界最大のクチコミ・プラットフォームを提供するTrustYou株式会社は2019年9月20日、TrustYouのユーザーがプラットフォームを離れることなく、クチコミの大部分に返信を可能とする新機能を発表した。

新機能は「貴重な時間を節約し、テクノロジーを活用して業務効率を上げたい」というホテルのニーズの高まりに対応すべく開発したものだ。「Booking.com」「Google」「TrustYou Survey」経由で受け取ったユーザーからのクチコミに対して、宿泊施設はTrustYouプラットフォームを離れることなく、全世界の宿泊施設に関するクチコミの最大78%（日本では約61%）にコメントを返信することが可能となる。

TrustYouデータベースにあるクチコミを詳細に分析することにより、2018年の最もクチコミ投稿件数の多かったクチコミソースが明らかになった。その分析によると、全世界で第一位は「Booking.com」（32%）、次いで「Google」（24%）、そして「TrustYou Survey」（23%）が続いた。

また、TrustYouのオンラインアンケート機能である「TrustYou Survey」は、宿泊施設のクチコミ件数の増加に大きく貢献している。同社の調査によると、日本におけるクチコミソースの増減を2017年と2018年で比較したところ、最も件数が増加したトップ3は「Google」+91.16%、「TrustYou Survey」+55.48%、「Expedia」+43.44%となった。最も件数が減少したトップ3は「楽天トラベル」-19.19%、「TripAdvisor」-19.14%、「じゃらんnet」-15.83%となった。

シェアリングエコノミーやオンラインショッピングが主流の今日、クチコミへの返信は不可欠となっている。これは、ゲストが宿泊体験をクチコミ／レビューという形で共有したことに対して、ホテル側がどう評価するかを消費者側が期待しているためだ。今回の新機能は、多くの旅行者が宿泊施設の検索と予約に利用する「Booking.com」と「Google」への返信コメントを増やすことができるようになる。同社は「旅行者の予約の意思決定により良い影響を与えることを目指します」と述べている。

TrustYouのユーザー事例を見ると、クチコミ管理・分析や返信がオンライン上のクチコミ評価全体により良い影響を与えることが分かる。日本国内で17軒のホテルを展開する住友不動産ヴィラフォンティーヌ株式会社は、増加傾向にある提携先宿泊予約サイトやOTAサイトに投稿されるクチコミを一元管理し、各プロパティの業務向上に活用するため、2017年7月より「TrustYou Analytics」「TrustYou Survey」「TrustYou Marketing」の3つのサービスを導入している。2017年7月から2018年3月の9ヶ月間で、全17軒のプロパティの平均スコアが向上し、以下の結果となった。

トラスト・スコアが82から84へ向上（トラスト・スコア：旅行者から各サイトに寄せられた検証済みのクチコミ過去2年間を独自のアルゴリズムによって算出したスコア）
パフォーマンス・スコアが81（10月）から84（3月）にアップ
肯定的なクチコミが86%から88%に増加
否定的なクチコミが13%から11%に減少
返信率は26%（8月）から33%（1月）まで向上
センチメントスコアは食事が61から69に増加、清潔さが72から79に増加、サービスが82から84に増加（センチメントスコア：クチコミ本文を客室・サービス・レストランなどのカテゴリー毎に言語・感情分析した結果を、肯定的なコメント数の比率で算出したスコア）

TrustYou最高技術責任者（CTO）のステファン・ウェンツ氏は、クチコミについて次のように述べている。

「旅行者は、他の旅行者の情報収集に貢献し、影響を与え、満足のいく選択ができるようにクチコミを投稿します。しかし、最も重要なのは、旅行者はホテルの運営者やスタッフに対して自分の声に耳を傾けてほしいからこそクチコミを書いているという点です。旅行者にとって投稿したクチコミへの返信コメントがとても大切であり、またホテル運営者にとってはそれぞれのクチコミ1件づづ対応することがいかに難しいかを考えると、今回の新機能を導入できたことを大変嬉しく思います。今後も、ホテルとゲストの両方のニーズに同時に対応できるさらなる新機能も導入予定です。」

TrustYouは過去の調査から、クチコミが与える影響力について次のように考えている。