忘れ物国際配送サービス「TUMOCA Express(ツモカ エクスプレス)」とヴィアインホテルチェーンが提携
2019年4月23日、忘れ物国際配送サービス『TUMOCA Express(ツモカ エクスプレス)』を運営する株式会社オー・エス・エスがヴィアインホテルチェーンと提携し、2019年4月より訪日外国人客の忘れ物を取り扱うと発表した。
『TUMOCA Express』は、訪日外国人客の忘れ物を海外の自宅まで届ける配送サービスだ。ホテルに代わり、ゲストの忘れ物を「相手国に送ることができるのか」を確認した上で、料金決済し、送り先と物品に適した梱包および申告を行い、荷物を海外のゲストの元まで責任をもって配送する。同サービスは「ゲストの忘れ物対応から手離れできる」と、全国のホテル約10万室から好評を得ている。
ヴィアインホテルチェーンは、東京・大阪・京都など日本有数の人気観光エリアにて展開している。2019年6月5日には、同チェーンの九州エリア初となる「ヴィアイン博多口駅前」がオープンし、ますます訪日外国人のゲストが増加していくことが予想される。
同チェーンはこれまで、忘れ物を海外まで送ってほしいとの要望を受けた場合には、ホテルスタッフが配送の手配をしていたという。このたび『TUMOCA Express』と提携したことで、海外への忘れ物配送業務をこれまで以上にスムーズかつ効率的に行え、ホテルサービスの向上を図るとともに、現場スタッフの負担軽減も実現する。
オー・エス・エスは「『TUMOCA Express』は今後も世界規模でサービスを拡大し、外国人観光客の忘れ物に悩む全ての施設をサポートして参ります」と述べている。
同社は2018年9月、2019年夏にハワイで同サービスをスタートさせるべく、本格的に行政や関係各社と交渉に入ったことを発表している。ハワイは日本人観光客の割合が高く、観光客数全体の16.9%(2017年時点)を占めており、以前から「ハワイでも『TUMOCA Express』を展開してほしい」「ハワイでPCを忘れた時、取り戻すのに苦労した」という声があったという。
さらに同社は株式会社西鉄ホテルズと契約し、2019年4月1日より国内19店舗にて外国人観光客の忘れ物の取扱いを開始した。西鉄ホテルズも近年インバウンド比率が増加したことで、「忘れ物を海外まで送ってほしい」という要望が多くなったという。同サービス導入により、ホテルサービスの向上と現場スタッフの負担削減を実現する。
これまで宿泊施設での忘れ物は、配送先が日本国内であることが大半だったようだ。しかし近年、訪日外国人が急増したことで忘れ物も増え、海外まで送ってほしいという依頼が多くなってきているという。その際、国際配送特有の問題がいくつも発生し、宿泊施設側は「費用持ち出しで配送する」もしくは「依頼があっても断る」という選択肢を迫られることが多いようだ。なかでも頭を悩ませるのが料金決済の問題だ。
国際宅配は国内宅配と違い、着払いが基本的に不可能だ。そのため、宿泊施設はゲストに海外から送金してもらう必要があるが、銀行へ行き送金する手間や、国際送金手数料を割高に感じ料金を支払わないケースが多いという。仮に料金を支払ったとしても、送金額の受取人である宿泊施設が、中継銀行の手数用や受取銀行の手数料を支払うことになり、宿泊施設に送料分の金額が残らない事態も起こる。また、ゲストが荷物を受け取ったあとに送金されず、連絡が取れなくなるケースもあるなどホテル側の負担が大きい。
『TUMOCA Express』は、忘れ物の配送が可能かの確認からゲストへの配送まで、一気通貫した配送サービスだ。料金決済が確実に行われるため、ホテル側の負担もない。同サービスが日本各地の宿泊施設に導入され、外国人観光客の忘れ物に関するさまざまな問題が解消されていくことを期待したい。
■「TUMOCA Express」公式サイトはこちら。
■「ヴィアインホテルチェーン」公式サイトこちら。
【参照サイト】
・「ヴィアインホテルチェーン」と提携。訪日客のお忘れ物を本国のご自宅までお届けします。
・【西鉄ホテルズと契約】国内全店舗にてインバウンド訪日客の忘れ物を取り扱います。
・観光経済新聞にて、弊社代表 荒本修一が訪日客の忘れ物問題をご紹介いたしました。
(HOTELIER 編集部)