IGLOOOと米HipTravelerがパートナー提携、アメリカ市場のマーケティング・訪日プロモーション活動支援を強化
欧米豪圏への訪日インバウンドプロモーション事業を手掛ける株式会社IGLOOO(イグルー)は2020年1月21日、アメリカ西海岸のトラベル系スタートアップで、マーケティング業務やイベント運営・ツアープランニングツール開発など手掛けるHipTraveler社とパートナー提携したことを発表した。
IGLOOOは2015年12月に設立した、欧米豪市場に特化したインバウンドマーケティングエージェンシーだ。海外の文化や慣習に精通し、グローバルネットワークを活用したウェブサイトのデジタルブランディング戦略からサイト構築、ファムトリップ、SNS運用までサポートし、欧米豪市場と日本をつなぎ地域活性化を目指している。
2016年2月、主に欧米圏からの訪日観光に関するウェブメディア『VOYAPON(ヴォヤポン)』を正式リリースした。英語・フランス語・スペイン語の3言語で展開し、2017年8月時点で在日欧米豪出身のトラベルライターを100名以上抱え、独自の取材記事を活用したプロモーションも行っている。また、アジア全域への訪日インバウンドマーケティングを手掛けるツナガル株式会社と業務提携したことで、アジア圏・欧米豪圏向けに、観光プロモーション分野における課題解決をワンストップで提供できるようになった。
2017年9月には、欧米豪のトラベル領域の有力インフルエンサーや専門メディアを起用した観光プロモーション事業を本格開始した。日本の旅行情報の情報流通量の少なさと偏りは、欧米豪圏、特に欧州の非英語圏に顕著にあるという。同社はスペイン語・フランス語圏・ドイツ語圏など欧州主要言語圏の有力インフルエンサーを活用した、観光プロモーション事業を強化していくとしている。
最近では欧米豪を一括りではなく、フランス・イギリス・オーストラリア・アメリカ・ドイツといったように、各国市場別に現地の旅行者のニーズを踏まえた有効な情報発信手法を求める需要が増加しており、それに応えるべくグローバル体制を整備している。2018年12月時点で同社は、CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)を中心として、欧米豪の主要国を拠点に旅行・ビジネス・ラグビー・フード・ライフスタイルメディアなどのジャーナリストや編集長、インフルエンサーなど、200を超えるコンタクトリストを保有している。
政府の発表では、2019年の訪日外国人旅行者数が推計で3188万人に達した。アメリカからの訪日客数は毎年10%以上の伸率で、2019年の訪日アメリカ人は過去最高の約170万人と推計される。過去5年で実に約2倍のもの増加となった。中国・韓国・台湾・香港に次いで5位で、東アジア以外では最も多く訪日しているのがアメリカ人だ。アメリカ最大の富裕層向け旅行雑誌『Travel + Leisure』で日本が2018年の「Destination of the Year」に選出されたり、最近では旅行ガイド・ロンリープラネットでも日本の東北地方が2020年のTop Regionsの1つに選出されるなど、アメリカでの日本への注目度は増している。
HipTraveler社は2012年にカリフォルニア州のサンディエゴで創業したトラベル系のスタートアップ企業だ。アメリカの主要メディアやインフルエンサーと広いネットワークを持ち、世界各国の政府観光局やDMOなど200地域以上のマーケティング支援・プロモーションキャンペーン実績があり、数々のアワードを獲得するなど一定の評価を得ている。また、自社で先進的な旅行メディアも運営しており、他の旅行メディアとは一味違ったアプローチの方法を用いて、読者がその場で独自の旅程作成→予約までの一連の流れを行えるシステムを独自開発している。記事の執筆は、前述したネットワークから数多くの有名インフルエンサーや、経験豊富なトラベルライターが担当している。
この度IGLOOOは、近年高まるアメリカからのインバウンド需要を積極的に取り込んでいくために、HipTraveler社と連携し、アメリカ現地での有効なプロモーションやPR業務、旅行博等のイベント運営などをワンストップで担える協力体制を敷いた。今後はHipTraveler社の協力のもと、日本の自治体や企業様のアメリカ市場におけるマーケティング・プロモーション活動支援を強化していく。そして欧州や豪州でも同様のスキームを増やしていく考えだ。
トリップアドバイザー株式会社が発表した「インバウンドレポート2019」によると、“アジアの旅行者”と“欧米豪の旅行者”でニーズに違いがあることが分かっている。アジアの旅行者には「日本の自然や四季を楽しむこと」が最も人気が高く、欧米豪の旅行者には「都市での滞在を楽しむこと」が最も人気が高いなど、その人たちの住む国・地域によって日本での旅行に対する期待が大きく異なる。また、欧米豪の中でもニーズに違いが見られる。訪日旅行で考えている旅のテーマでは、アメリカ・オーストラリア・イギリス・スペインは「歴史探訪」、ドイツとイタリアは「都市観光」という回答が多い。一方で、訪日旅行を決める際に影響されるモノやコトでは、これら6地域すべてで「伝統文化(侍、着物、日本美術など)」が最も多かった。
欧米豪に特化したインバウンドマーケティングを展開するIGLOOOと、広いネットワークを持ち先進的な旅行メディアをもつHipTraveler社の提携が、アメリカをはじめとする国・地域からの誘客にどのような効果をもたらすか今後の動向に注目していきたい。
【参照記事】
・株式会社イグルー、HipTraveler社とアメリカ市場におけるマーケティング領域全般でパートナー提携。北米向けの訪日誘客プロモーションを強化!
・欧米圏向け訪日インバウンドキュレーションメディア【VOYAPON】をリリース
・株式会社イグルーとツナガル株式会社、訪日インバウンド領域で業務提携。アジア+欧米豪向けプロモーションをワンストップで提供!
・株式会社イグルー、欧米豪の有力インフルエンサー(パワーブロガー、メディア等)を活用したプロモーションサービスを本格始動
・株式会社イグルー、地方自治体向け欧米豪インバウンド現地レップ業務を強化
【参照サイト】
・株式会社IGLOOO
・トリップアドバイザー「インバウンドレポート2019」
(HOTELIER 編集部)