宿泊料金が5倍に!?国公立大学の2次試験前夜が高騰、ウィズトラベル調査
宿泊検索サイトを運営するベンチャー「WithTravel(ウィズトラベル)」の調査によると、全国162の国公立大学の6割で、2月下旬~3月上旬にある入試の2次試験の際、周辺ホテルなどの宿泊料金が前週より1割以上高くなっていることがわかった。
ホテルや旅館などの宿泊施設の多くは、旅行シーズンや予約状況に合わせて宿泊料金を変動させている。ウィズトラベルは大手旅行サイトなど9社と提携し、全国6万軒のホテルや旅館、民泊の宿泊情報を収集。1月19~28日の予約状況をもとに、各大学の2次試験前夜のホテルや旅館約6700軒分の宿泊料金を調べた。
その結果、162大学のうち、125大学で周辺の宿泊料金が前週の平均より1割以上高くなっていた。なかでも電気通信大周辺が最も高く、平均の5.4倍に。現に同大学周辺(東京都調布市)では、ホテル4軒が入試前夜に予約で満室となり、残る1軒でも周辺の平均価格の5倍以上に高騰しているという。
次いで東北大で3.8倍、宮城教育大で3.5倍、弘前大で2.8倍、東京外国語大で2.7倍など9大学で2倍以上となっていた。一方、前週に別のイベントなどがあり、宿泊予約が殺到した九州大や名桜大(沖縄県)周辺では3~4割安くなっていた。
WithTravelの春山佳久社長は「宿泊客が集まる日は値段が高くなりがちなので早めの予約が必要だ。継続的に高くなる場合は、今すぐ予約することをお勧めするが、逆に安くなる場合もある」と話す。同社は今後、宿泊料の変動を予測する人工知能(AI)を開発し、安く予約できるタイミングを通知するサービスを計画しているという。
厚生労働省が発表した「主な生活衛生関係施設数の年次推移」によると、平成29年度の宿泊施設数(旅館業)は82,150施設であり、前年度に比べ 2,308施設(2.9%)も増加している。なかでも簡易宿所営業は2,892施設(9.8%)も増えた。
インバウンド需要の高まりで、宿泊特化型ホテルや民泊など宿泊施設が堅調に増えているものの、そのほとんどが都市部に集中している。各地の国公立大学は、都市部から離れている立地も多いため周辺に宿泊施設が少なく、必然的に宿泊料金が高騰してしまうのだろう。
大学試験期間のように一時的なものではなく、年間を通して一定の稼働率が確保できるような立地であれば、新たな宿泊施設の建設が進むかもしれない。
【参照記事】
国公立2次試験、前夜の宿泊料金は…5倍に高騰の大学も
【参照サイト】
平成29年度衛生行政報告例の概況
(HOTELIER編集部)