ドーガンが五島アイランドリゾートに1.5億円出資、長崎県新上五島町のホテル開業や地方創生を支援
2018年12月20日、金融コンサルティング事業を手掛ける株式会社ドーガンが、株式会社十八銀行の出資を受けて設立・運営している「『元気な長崎』応援投資事業有限責任組合(通称:『元気な長崎』応援ファンド)」を通じて、五島アイランドリゾート株式会社に対し1億5,000万円を投資したことが分かった。
同ファンドは、主に長崎県内の地域経済活性化に資する企業や事業などを出資対象としている。このたびの投資は同ファンドの第7号投資案件で、ドーガンは投資を通じて長崎県下の地方創生や活性化に貢献する考えだ。
五島アイランドリゾートは、長崎県新上五島町がパートナーシップ協定を締結している際コーポレーション株式会社が、同町・十八銀行・ドーガンと連携し、町内の遊休公共施設を活用したリゾートホテルの建設・運営を目的に2017年8月に設立した。官民連携事業として、観光復興や雇用拡大など地域経済活性化への貢献を目指している。ファンドからの出資金は、これらの取り組みに向けた事業資金として活用される。
際コーポレーションが同町で運営する『五島列島リゾートホテル マルゲリータ』の稼働率が高水準で推移していることなどから、このたびホテル新設に踏み切った。総額約7億円を投じるプロジェクトとなり、2019年3月に開業予定だ。ホテルは、2017年3月に老朽化に伴い閉鎖した「町営奈良尾温泉センター」を改修する。住民やホテル利用者を対象にした温浴施設も併設予定だ。客室数29室を用意し約70名が宿泊でき、一泊2万円~2万5,000円を想定している。
2017年8月に行われた共同記者会見にて、同社の中島武社長は「コンセプトは島自慢の新鮮な魚が楽しめる美食のホテル。長崎の郷土料理を取り入れたメニューも考えたい」と述べている。
数多くの教会が残る新上五島町は、“頭ケ島の集落”などが2018年6月に世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として登録されたこともあり、観光客が増加している。同町の観光客延べ数は2017年に26万6,447人となった。5年前から2割弱伸びており、2018年も増加傾向にあるという。外国人延べ宿泊者数も、2016年には625人だったが2017年には1,129人へと増加した。
長崎県の調査によると、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の来訪者数は2017年度(7月~11月)の総合計が27万9,353人だった。2018年度(7月~11月)は総合計43万7,509人で、前年に比べ57%も増加している。『五島列島リゾートホテル マルゲリータ』の稼働率が高水準であることからも宿泊施設の需要は高いとみられ、新しいホテルが開業することで、観光客の受け入れ態勢もさらに整うだろう。ホテルの従業員は地元から採用するといい、雇用の創出にもつながりそうだ。
【参照記事】
・十八銀・ドーガン、新上五島のホテル会社に出資 ファンド通じ1.5億円、新設を支援
・新上五島に「美食ホテル」
【参照サイト】
・『元気な長崎』応援ファンド「五島アイランドリゾート株式会社」に投資実行(第7号投資案件)
・「五島アイランドリゾート株式会社」の設立および 新規ホテル事業開始について~長崎県五島列島における官民金連携事業による地域活性化の取り組み~
・長崎県観光統計データ(平成21年~平成29年)
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の来訪者数
(HOTELIER 編集部)