那須ハイランド別荘地内にサイクリスト向け宿泊施設が2020年3月中旬開業、プロチーム監修の工具など配備

藤和那須リゾート株式会社と住友林業株式会社は2020年3月6日、観光地域密着型プロサイクルロードレースチーム「那須ブラーゼン」を運営するNASPO株式会社監修の下、サイクリストフレンドリーな宿泊施設「サイクリスト*フレンドリー*ヴィラ.Ⅰ」を建築し、2020年3月中旬からオープンすると発表した。

那須エリアは四季折々の大自然の景色が堪能でき、御用邸や歴史ある温泉をはじめとした文化遺産やレジャー施設・観光施設などを多数有する日本有数の観光地である。藤和那須リゾートは、その観光巡りに「観光」「環境」「健康」に適したモビリティであり五感を全て刺激する「自転車」と一緒に宿泊滞在することで、「新たな那須エリアの魅力を発見いただけたら嬉しく思います」と述べている。

「サイクリスト*フレンドリー*ヴィラ. Ⅰ」は、那須ハイランド別荘地内に位置する木造平屋建て・1LDKの建物だ。延床面積77.63平方メートル・建築面積82.81平方メートルの広さで、全国から集まるサイクリストに快適な「時間」と「空間」を過ごしてほしいという思いを込めている。宿泊人数/棟は2~6名、宿泊料金は平日1泊39,000円(税別)~。

自転車メンテナンス専用スペースを設け、段差のないアプローチから自転車ごと入室でき、玄関から続く土間(専用工具やバイクラックがある専用スペース)で愛車のメンテナンスや室内保管が可能である。専用メカニックを有する那須ブラーゼン監修により、六角レンチ一式、トルクスレンチ一式、ドライバー、フロアポンプ、シマノDi2充電器(内装・外装)、メンテナンススタンド、チェーンオイルなどの専用工具を配備予定だ。

壁のない大空間と、ほぼ全面ガラスの大開口も施設の特徴の一つだ。土間の先に広がる大空間(土間・リビング・ダイニング・キッチンで約28.5畳)は、木のぬくもりが楽しめるウォールナット材の内装で統一し、愛車を眺めながら仲間や家族との大切な時間を過ごすのに最適な空間を演出する、住友林業オリジナルのビッグフレーム構法を活かした大空間(LDK)の外壁の約95%はガラス窓による大開口が実現でき、日中は那須の自然豊かな景色、夜にはライトアップされた植栽の景色が楽しめる。さらに、消防署や警察署といった災害復興の拠点となるような施設と同等の耐震性も実現している。

藤和那須リゾートは千差万別の宿泊施設を展開する『那須高原TOWAピュアコテージ』や、那須最大の別荘地『那須ハイランドリゾート』を運営している。『那須高原TOWAピュアコテージ』は従来から運営するコテージタイプに加えて、プライベート空間が満喫できる別荘タイプの「リゾートハウス」、期間限定で楽しめる「グランピングタイプ」、斬新なデザインの「デザイナーズハウス」、愛犬と心ゆくまでリラックスできる「WITH PETシリーズ」など、ゲストに多種多様な宿泊施設を“選択する楽しみ”を提供している。今回新たにサイクリストフレンドリーな別荘タイプも加わり、今後も那須に訪れる様々なゲストへ至福の喜びを提供できる総合リゾートを目指して、施設づくりと運営に取り組んでいくという。『サイクリスト*フレンドリー*ヴィラ』は今後、Ⅱ・Ⅲと展開していくことを検討中だ。

1691年の創業以来、人と地球環境にやさしい「木」を活かし国内外で多様な事業を展開している住友林業グループは、この度の宿泊施設開業について次のように述べている。「今回那須エリアの魅力を発信する拠点としての宿泊施設の建築に携われることができたことを光栄に思います。当宿泊施設に滞在するサイクリストの皆様には、木の温かみや心地よさを存分に感じながら、ゆったりとしたリゾートライフを過ごしていただけることと思います。」

また、NASPOは次のように述べている。「メインスポンサーである藤和那須リゾート株式会社と、また新たな取り組みをスタートできることを大変嬉しく思います。那須エリアは、那須ブラーゼンのようなプロサイクルロードレースチームが存在し、国際ロードレースのような大会や、毎年全国から3,000名のライダーが集結してサイクリングを楽しむ「那須高原ロングライド」など、様々なレースやサイクルイベントが開催されている、日本有数のサイクリング環境が整っている観光地です。そのようなエリアの中に、今回、サイクリストをお迎えするための象徴的な施設の運用がスタートすることで、サイクリストウェルカム・フレンドリーなエリア体制づくりに大きく前進できたと感じております。那須を訪れる多くのサイクリストの皆様に当宿泊施設をご利用いただき、那須エリアの魅力を存分に感じて頂けましたら幸いです。」

那須町の2018年の観光客入込数は492万2,783人で前年に比べ約20万人増加、宿泊者数は172万7,959人で前年に比べ8,665人増加した。外国人宿泊者数も増加傾向にあり、2013年の2,923人から2018年には1万7,927となった。

那須町では、2016年度~2025年度を計画期間とする『第7次那須町振興計画』で8つの基本方針を掲げており、そのひとつに「“観光・交流・連携”のまち」がある。町を代表する自然・観光・レクリエーション、産業、スポーツなど、地域の魅力や知名度を際立たせる資源の活用に努めるとともに、町内外あるいは国内外のさまざまな交流・連携を高める基盤の充実を図り、本町の活力あるまちづくりに繋げていく考えだ。この基本方針の実現に向けた施策のひとつに「国内外からの誘客促進」があり、サイクリングを通じた那須のブランディング化を図るなどしていくという。

また、振興計画の観光部門計画として位置づけられた「那須町観光振興基本計画」では、2021年度の目標値として観光客数560万人、宿泊者数208万人、外国人宿泊者数11万人、観光総消費額521億円を掲げている。

「サイクリスト*フレンドリー*ヴィラ.Ⅰ」はプロのサイクルロードレースチームが監修した専用工具や、専用のメンテナンススペースがあり、安心して愛車を持ち込むことができる。サイクリストが利用しやすい宿泊施設の開業が、那須町が掲げる目標の達成や地域の魅力アップに貢献することを期待したい。

【参照記事】
「那須ブラーゼン(観光地域密着型プロサイクルロードレースチーム)」監修『サイクリスト*フレンドリー*ヴィラ.Ⅰ(宿泊施設)』今春OPEN!
【参照サイト】
・那須町|那須町観光客入込み客数及び宿泊数
・那須町|第7次那須町振興計画(平成28年度から平成37年度まで)
・那須町|那須町観光振興基本計画の策定について

(HOTELIER 編集部)


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